2014年4月~6月までTV放映されていたCGアニメーション作品『シドニアの騎士』が、アジアで開催される最大級のCGの祭典「SIGGRAPH ASIA 2014 Computer Animation Festival」に入選し、「Electronic Theater」上映作品に選定されたことが明らかになった。「SIGGRAPH ASIA 2014 Computer Animation Festival」は、52カ国、7,000人以上の業界プロフェッショナルが、最新のCGテクノロジーとクリエイティブ力を展示会やカンファレンスで発表するアジア最大級となるCGの祭典。アニメーション、ゲーム、芸術、インタラクティブ、教育、ウェブなど、CG業界のあらゆるジャンルが網羅されたイベントとなる。本イベントは7年目を迎え、今年は12月3日~6日まで中国・深圳にて開催。最新情報やトレンド、人脈にアクセスするため、CG業界関係者が世界中から集まるという。毎年世界中から500本近いCG作品が応募されて、その中から入選作品が選ばれるのだが、入選作品の中でも特に優れた作品が「Electronic Theater」にて上映されることになる。今回、『シドニアの騎士』が「Electronic Theater」上映作品に選ばれたことについて、本作を製作したポリゴン・ピクチュアズ担当プロデューサーの石丸健二氏は、「作品のクリエイティビティ―だけでなく、技術力、先進性、そしてユニバーサルなコンテンツであるかが問われるElectronic Theater上映作品に、当社30周年記念作品である『シドニアの騎士』が選ばれたことをとても誇りに思います」とコメントを寄せている。『シドニアの騎士』は、漫画誌『月刊アフタヌーン』(講談社刊)にて連載されている弐瓶勉氏によるコミックで、対話不能の異生物・奇居子(ガウナ)と戦う人類の姿を描いた正道ロボットSF作品。2014年4月~6月にTVアニメーションとして放映され、世界50カ国以で放送・配信されている。(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局
2014年11月05日キヤノンは、現実世界とCGを融合し、製品設計時の開発期間の短縮を実現するMR(Mixed Reality:複合現実感)システムを、7月下旬より発売すると発表した。MR(Mixed Reality:複合現実感)は、現実世界と仮想世界(CG)をリアルタイムに違和感なく融合させる映像処理技術で、現実世界の情報の豊かさとCGの柔軟性を活かすことで、CGのみで表現するVR(Virtual Reality:人工現実感)より一歩進んだ映像世界を提供する。AR(Augumented Reality:拡張現実感)もMRの一種で、現実世界の映像にCGを重ね合わせる技術だが、キヤノンのMRシステムは、ユーザーの任意の視点から、実寸大のCG映像を体感できるという特徴を持っている。キヤノンMRシステムについては、以下の動画を参照。var Eviry=Eviry||{};Eviry.Player||(Eviry.Player={});Eviry.Player.embedkey="EK1t_rIJZVtVuKr1XVo8SNfuJNGmeZegT7Q_o1mvGSbQV6bDEDAkosrb1OAcKBYbYfIKrBItcDnKgRKdBDhtzuEwg..";システムは、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)に内蔵された左右一対のビデオカメラによって現実世界を撮影し、その映像をパソコンへ送る。そして、画像処理や位置・姿勢センサー、あるいはその両方を組み合わせた位置合わせ技術により、パソコン内のCGと現実世界の映像を高精度に融合し、HMDに搭載された小型表示ディスプレイに表示する。キヤノンがレンズ技術で培った技術により、観察者視線とカメラ視線の光軸一致を実現しているほか、画像処理とセンサーにより高精度の位置あわせが行われているという。MRシステムは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「HM-A1」、基盤ソフトウェア MRプラットフォーム「MP-100」、パソコン、パソコン用ディスプレイ、トラッキング用センサー、ディスプレイ分配器などで構成される。HM-A1は、画面解像度1,280×960ドットで、サイズW236×D307×H245mm、重量640g(ケーブル含まず)。同社では、製造業製品設計時にMRシステムを活用することにより、実寸大の3次元CGを用いて、製品のデザインや操作性の評価し、プロトタイプの作成回数やコストを低減できるとしている。また、生産設備の配置前に工場内の最適なレイアウトをシミュレーションする、マンションの住宅展示場でより現実に近い形で完成後のイメージを体感してむらうといったことにも利用できる。同社では将来的に、外科手術のシミュレーションなども検討していくという。
2012年06月18日『人狼 JIN-ROH』の沖浦啓之監督の最新作『ももへの手紙』が21日(土)から公開される。日本を代表する名アニメーターたちが総結集した本作の魅力とこだわりはどこにあるのか? 沖浦監督に話を聞いた。その他の写真本作は、瀬戸内海の小さな島で暮らすことになった少女ももに訪れる不思議な日々を描いた家族と愛の物語だ。沖浦監督は「これまでハードなテイストの作品をやることが多かったのですが、ずっと児童文学や絵本が好きで、子どもと大人の世界の関わりを描いた作品をちゃんとつくっておきたかった」と振り返る。その“ちゃんと”にかける情熱と労力は並大抵のものではなく、製作期間に7年を要し、大作アニメのチーフ級のアニメーターたちがズラリと顔をそろえた。「腕のあるアニメーターは、どの現場もほしいですし、作品に関わると1年から2年は拘束されてしまう。でも、この映画の場合は製作期間が長かったので待つことができた。だから『このシーンは上手い人にお願いしたい』という場面は、その人のスケジュールが空くまでとにかく待ちました」。そのこだわりは、映画をほんの数分観ただけで伝わるだろう。本作に登場するキャラクターは、ほんの小さな表情の変化や仕草まで丁寧に描き込まれ、画面の中にしっかりと“存在している”と感じられる。「モデリングされたものを動かす3DCGと、毎カットごとに絵を作り出していくアニメは別のものなんですね。人間って少し角度が違うだけで、別の人に見えることがありますよね? そういったことがこだわりの部分だし、手で描くことの面白さなんです。作画監督の安藤(雅司)さんは、“表情”を描ける人。実は“画が上手い”のと“表情が描ける”のは別のことで、『ももへの手紙』のようなリアルな作品になると、大きな変化ではなく、ちょっとした目の動きや顔の角度が重要になってくる。安藤さんはそういう時の“捉え間違い”がない。本当に希有な才能だと思います」。本作の根幹にあるのは母と子、そして亡き父の物語だ。それを実写映画ではなく、手描きのアニメーションで表現することに意味はあるのか? その答えは本作を観ればわかるだろう。腕のあるアニメーターたちが1枚1枚、手で描いた画が連続して撮影された際に出現する“揺れ”や“表情”は、CGアニメや実写では決して再現できないものだ。「前作を作る前にも『10年先も観られる映画をつくります』と言いましたけど、この映画もずっと価値を持ち続けてくれれば」という沖浦監督。CGアニメが規模を拡大し、手描きアニメを担う人材が減りつつあるが、本作はその完成度の高さから、10年と言わず長きに渡って語り継がれていくであろう作品に仕上がっている。『ももへの手紙』4月21日(土) 全国ロードショー
2012年04月19日ジョニー・デップがカメレオンを演じたCGアニメーション映画『ランゴ』が22日(土)に日本公開されるのを前に、本作を手がけたゴア・ヴァービンスキー監督がインタビューに応じた。その他の画像デップと『パイレーツ・オブ・カリビアン』の最初の3作を発表した監督は、次回作に『パイレーツ…』参加以前から温めていた「これまでにない西部劇をつくる」というアイデアに着手した。手段は『パイレーツ…』でタッグを組んだ世界最高峰の映像工房ILMによるフルCGアニメ。しかし、その製作過程は少し変わっている。「最初に7人のアーティストが僕の家で1年半ぐらいかけて“ストーリー・リール”を作ったんだ。Macで編集した基本的にすべて鉛筆と紙でやったバージョンの映画だ。それから役者と20日間かけて実際の声を録音したんだ。僕は普段はアニメ作品をやっていないから、“役者が反応する”というのが重要だったんだよ。それからまたストーリー・リールを編集し、ILMに行って、すべてのショットをCGでやり直したんだ」。本作は、ゼロの状態からアニメを製作せず、俳優たちの演技を撮影し、エモーション・キャプチャという最新技術や、俳優を撮影した素材を参照しながらCGアニメを作り出した。「アニメーターとニュアンスについて話し合うことがあるんだ。無意識の筋肉の動きや、目の表情などの微妙な表現についてね。僕たちが役者を使う前につくったストーリー・リールを見ると、この映画にとても似ているのが分かるよ。でもなにが新鮮かというと細かいディテールなんだ。細かいディテールに入っていけばいくほど、役者の演技を見ることが役立ったよ」。ヴァービンスキー監督は「アニメーションではアクシデントは起きない」と語る。少し考えれば当然の指摘だが、『ランゴ』は、これまで実写映画で生身の俳優と対峙し、時に天候に左右されながら、現場でのやり取りから生まれた一瞬をフィルムに写し取ってきた監督だからこそ表現できたアニメーションに仕上がっている。「実写では、たとえば同じ台詞でも、テイク6でなにかが起こって『テイク3とか4では起きなかった瞬間が得られた』ということがある。でもアニメーションでは、1テイクしかないんだ。実写ではなにかに対して直観で“反応”できるけど、アニメは“反応”ではなく“洗練”する時間だけがある。だからやり過ぎて面白みがなくなったりしないよう、パーフェクトになり過ぎないようにするのがとても難しいんだ」。朋友ジョニー・デップを迎え、最新のCG技術と実写映画で得られた感覚を投入して製作された映画『ランゴ』。ヴァービンスキー監督は「この作品の後、僕のアニメーション監督への尊敬はずっと高くなったよ」と語るが、本作はハリウッド映画祭で常連ピクサーを破って、本年度のアニメーション賞を受賞。アニメーションの専門家ではなし得なかった成果をモノにしている。『ランゴ』10月22日(土) 新宿バルト9 ほか全国ロードショー
2011年10月21日生誕80周年を迎え、改めてその偉大な功績が脚光を浴びている“漫画の神様”手塚治虫の代表作「鉄腕アトム」をフルCGによって、これまでにないスケールで映像化した『ATOM』。このたび、本作の日本語吹き替え版のキャストが正式に決定し、アトムの声を女優の上戸彩が、アトムの生みの親であるテンマ博士を役所広司が務めることになった。これまでに放映されたTVアニメシリーズでは、アトムの声を清水マリ、津村まことが演じており、今回の上戸さんは3人目となる。配給元の角川エンタテインメントは今回の決定について、己の過酷な運命を知ったアトムが、徐々に力強いヒーローへと成長していくさまを演じられる声優として、演技力があり、日本を代表する元気なキャラクターとして国民的な人気を誇る上戸さんがふさわしいとして白羽の矢を立てた、とその起用の理由を説明。上戸さんは「たくさんの方に愛されているアトムのイメージを壊さないようにがんばります!今回の映画『ATOM』は優しくて力持ちなアトムだけではなく、ちょっと切ない部分や深いメッセージがこめられているのでぜひ、たくさんの方に観てほしいです」と喜びと意気込みを語った。一方、役所さんが担当するテンマ博士は、不慮の事故で命を落とした最愛の息子・トビーを自らの手で、新型ロボットとして甦らせ、苦悩を抱えながらも本当の愛に目覚めていくというキャラクター。役所さんは「子供の頃、TVで『鉄腕アトム』を見ていましたし、初めて描いた漫画もアトムでした。この映画に描かれている、血のつながりや人種など関係なく相手を思いやる気持ちがあれば、親子にも友人にもなれるという部分に魅力を感じました」と作品への強い思いを語ってくれた。本作の宣伝プロデューサーを務める手塚治虫の息子である手塚眞氏も、今回のキャスティングについて満足している様子で、「若い世代の人々がこの映画を観て、次の世代に手塚の想いを伝え続けられればと思います」と期待を口にする。ちなみに、海外版ではアトムの声をフレディ・ハイモアが、テンマ博士を「鉄腕アトム」の大ファンを公言するニコラス・ケイジが担当。ほかにも海外版では、お茶の水博士(海外版ではDr.Elefun)の声をビル・ナイが担当するほか、ドナルド・サザーランド、シャーリーズ・セロンらの出演も決まっている。共に豪華声優キャストを揃えた本作、海外版と日本語版を見比べてみても面白いかも。『ATOM』は10月10日(土)より全国にて公開。■関連作品:ATOM 2009年秋、全国にて公開© 2009 Imagi Crystal LimitedOriginal Manga © Tezuka Productions Co., Ltd.■関連記事:フルCG版“アトム”の新ビジュアル解禁!テンマ博士&お茶の水博士も登場ドラゴンボール以上の賛否必至?生まれ変わったハリウッド版“アトム”一部画像到着
2009年07月22日手塚治虫の代表作の中の代表作「鉄腕アトム」が海を越え、本格的フルCG技術を駆使し、新たに生まれ変わった。今秋、日本でも公開を迎える『ATOM』。世代を超えて愛される国民的ヒーロー、アトムが映画でATOMとしてどのような変貌を遂げているのか注目が集まるが、本作の新たなキー画像が解禁となった。これまでに日本国内で解禁されたビジュアル画像では、体にコードを巻きつけて吊るされ、影に隠れて表情の見えなかったアトムだが、今回解禁となった1枚では、目をつぶったままとは言え、その顔がはっきりとお目見え!また、アトムの生みの親であるテンマ博士と育ての親、お茶の水博士の原作よりもややシャープな印象を与える姿も明らかとなった。さらに、現在本作の公式サイトでは、公開に先駆けて7月13日(月)より、眠ったままのATOMを呼び起こす「10万馬力キャンペーン」がスタート。画面中央で吊るされ眠ったATOMに、1クリックにつき1馬力のエネルギーを注入できる仕組みになっているが、スタートしてから間もなくアクセスが集中し、早くも10万をはるかに超える馬力に達成するほどの人気ぶり。今後、こちらのATOMは7月22日(水)には目を覚まし、何らかの変化を見せるというが、果たしてどのような姿を見せてくれるのか――?徐々にその全貌が明らかになってきた本作。全米の配給元サミットによれば、メジャー級の公開規模を予定、世界50か国以上での上映を目指しているほか、日本語版でも豪華メンバーを声優キャストとして配する予定だとという。『ATOM』は今秋、全国にて公開。『ATOM』公式サイト■関連作品:ATOM 2009年秋、全国にて公開© 2009 Imagi Crystal LimitedOriginal Manga © Tezuka Productions Co., Ltd.■関連記事:ドラゴンボール以上の賛否必至?生まれ変わったハリウッド版“アトム”一部画像到着
2009年07月15日