米Googleは1月5日(現地時間)、スマートフォンやタブレット、パソコンとオーディオ機器をワイヤレスで連携させ、音楽を再生する仕組み「Google Cast for audio」を発表した。同社の「Chromecast」と同じ技術を使用している。Google Cast for audioは、テレビなどに接続して映像コンテンツを表示するスティック型デバイス「Chromecast」のいわばオーディオ版。スマートフォンやタブレット、パソコンなどの対応アプリで「cast」ボタンを押せば、Google Cast for audio対応スピーカーから音楽が流れる。Google Cast for audioに対応するオーディオ機器は、ワイヤレススピーカーのほか、サウンドバーやAVレシーバーが想定されており、ソニーやデノン、LGなどから今春、米国で製品がリリースされる予定だ。また、BroadcomやMarvell、MediaTekから組み込み用のチップが提供されるという。AndroidやiOS向けのアプリに加えて、WebでもGoogle Cast for audio対応サービスが展開される。Google Play MusicやYouYube、NETFLIX、TuneInなどが準備を進めている。
2015年01月06日米Googleが現地時間1日に公開したサンタクロース追跡サイト「Google Santa Tracker」は、19時にサンタクロースの追跡を開始した。「Google Santa Tracker」では、Googleマップ上でサンタの居場所をトラッキングするコンテンツが用意されている。米GoogleのBlogでは、24日に備え「そり追跡アルゴリズム」も開発したとの話がリリース時に掲載されていた。19時10分時点では、サンタクロースは北極を出発したばかりの様子。次の目的地はロシアに位置するプロビデニヤで、約1時間後に到着する見込みだ。
2014年12月24日Googleは今年もサンタクロースのトラッキング情報の提供へ向けた準備を進めている。特設サイト「Google Santa Tracker」では、サンタクロースのトラッキング情報提供開始までの時間ほか、ミニゲーム、サンタクロースに関するコンテンツなどを提供している。予定通りに準備が進んだ場合、日本時間で12月24日の19時ごろからサンタクロースのトラッキングデータの提供が開始される。サンタクロースのトラッキング情報と言えば、北米航空宇宙防衛司令部が提供している「Official NORAD Santa Tracker」のほうが歴史が古く、そのスタートは1955年まで遡ることができる。Googleも2004年からNORADに参加していたが、2012年にNORADがたGoogle Mapsの代わりにMicrosoftのBing Mapsを採用し、Googleは独自のサイトを提供することとなったという経緯がある。トラッキングデータの提供サイトは毎年同じ作りではなく、その年ごとに新たな技術の使用や機能追加が行われている。2014年版はこれまでよりもWeb技術(HTML5、CSS3、JavaScript)を駆使したものになっているほか、スマートフォンやタブレット向けのアプリで提供されていた機能がWeb版でも提供されている。こうした動向はWeb技術およびブラウザの実装が進んでいることを示しており、アプリ開発とWeb開発の境界がさらに曖昧になりつつあることを示唆していると言える。
2014年12月24日米Googleは12月22日(現地時間)、完全自動運転カーのプロトタイプ"完全版"を公開した。Googleは5月に、同社が一から完全自動運転カーを設計するプロジェクトを発表した。その際に公開した初期のプロトタイプはデザインモックアップで、ヘッドライトなど車としての機能を完備していなかった。その後、テスト走行の実現を目指して仕様や機能が異なる様々なプロトタイプのテストを繰り返し、自動運転カーが必要とする機能を全て搭載したのが今回公開したプロトタイプだ。「完全自動運転のためのGoogle初の完全プロトタイプ」としている。デザインは5月に公開されたモックアップとほぼ同じだが、LIDARシステム(周囲の情報を収集しリアルタイムで3Dマップを作成)が小型になっており、またヘッドライトや方向指示器などを備える。しばらくはGoogleのテストトラックでのテストを継続し、来年には北カリフォルニアにおいて一般道を使ったテスト走行に移る計画だという。プロジェクトチームの最終目標は内部にハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルもない完全自動運転カーだが、テスト走行に用いるプロトタイプは必要に応じてドライバーがマニュアル操縦する機能を備える。
2014年12月23日米Googleは17日(現地時間)、Android用「Googleマップ」アプリの隠し機能として、同社の手作りVR(バーチャルリアリティ)ヘッドマウントディスプレイ「Cardboard」に対応したストリートビューのVR機能をGoogle+で明かした。ストリートビューでVR機能を利用するには、Android端末の「Googleマップ」アプリでストリートビュー機能を立ち上げた後、画面右下に表示される回転ボタンをダブルタップする。するとストリートビューで画像が左右に分割されたVRモードの表示に切り替わり、「Cardboard」で楽しむことができる。Cardboardは、Googleが6月にGoogle I/O 2014で公開した、段ボール製の手作りVRヘッドマウントディスプレイ。段ボールやレンズ、ゴムなどを同梱した製作キットも一般販売されている。
2014年12月19日AndroidのGoogleマップ・アプリ(マップ)のストリートビュー機能が、Googleの手作りVR(バーチャルリアリティ)ヘッドマウントディスプレイ「Cardboard」に対応していた。Google CardboardのGoogle+でCardboardチームが明らかにした。マップ・アプリで地図にピンを落とす(長押し)か、または検索して表示したい場所に移動し、画面下部にあらわれる情報カードから[ストリートビュー]をタップする。ストリートビュー画面では、右下に回転用のアイコンが表示される。回転アイコンをタップして有効にすると、スマートフォンを持つ手の動きに連動して、ストリートビュー表示が動くようになる。この回転アイコンをタップではなく、ダブルタップすると、ストリートビュー表示がVR用の左右2つの表示に切り替わる。Cardboardに装着して見ると、ストリートビューをVRコンテンツとして楽しめる。Cardboardは、Googleが今年6月にGoogle I/O 2014で公開した。キットをダウンロードし、ダンボール紙、レンズ、磁石、ベルクロテープ、輪ゴムなどを使って、低コストでVRディスプレイを自作できる。
2014年12月19日グーグルは12月16日、2014年のGoogle検索ランキングを公開した。急上昇ランキングや話題となったニュースのほか、都道府県名と一緒に検索されたキーワードトップ5も公開されている。(2013年の結果「埼玉は貧乳!? Googleが2013年検索ランキングを発表」)急上昇ランキングの1位は「ワールドカップ」。ブラジルで行われたワールドカップだが、日本は予選で敗退し、準決勝のドイツ-ブラジル戦ではまさかの大量得点差など、波乱含みの展開が多かった大会だった。また、2位には「ようかい体操第一」など、音楽やアニメ、ゲームと多方面で話題の多かった「妖怪ウォッチ」が入った。3位には「ソチオリンピック」、4位には毎年恒例ともいえる「台風」など、様々なワードが並んだ。一方の話題となったニュースでは、こちらも「ワールドカップ」と「ソチオリンピック」が上位に入った。スポーツ以外では、「デング熱」や「エボラ出血熱」という感染病も上位に食い込んでいる。○話題の人"時の人"がわかる話題の人ランキングで1位に輝いたのは錦織圭選手。2位の羽生結弦選手や5位の浅田真央選手、男性部門の9位に入った葛西紀明選手など、スポーツ選手の活躍が目立った年といえる。ただし、話題の人になったからといって、良い話題だけで急上昇ランキングに入るわけではない。STAP細胞の一連の騒動で一躍の時の人となった小保方晴子さんが女性部門で1位となったほか、"号泣会見"で話題となった野々村竜太郎さん、ゴーストライター問題の佐村河内守さんなどもランキングに入っている。一方で、今年も多くの著名人がこの世を去った。検索された故人の1位は高倉健さん。2位の宇津井健さんや6位の淡路恵子さんなどの名優がこの世を去った。海外ではロビン・ウィリアムスさんがランクインしている。○人気ドラマは?Googleとしては意外(?)なドラマランキングや人気キャラクターランキングも合わせて発表されている。ドラマランキングの1位は上戸彩さん主演で不倫を描いた「昼顔」。2位はそのドラマの描写が話題となった「明日ママがいない」、3位はNHKの朝ドラ「花子とアン」だった。朝ドラは、4位「ごちそうさん」と6位の「まっさん」がランクインしており、大河ドラマ「黒田官兵衛」も9位にランクインするなど、NHKの底力が見られる。5位の「失恋ショコラティエ」は松本潤さんと石原さとみさんが出演した"月9"で、石原さとみさんのキュートな演技が話題となった。7位のファーストクラスは、沢尻エリカさんが久々の連ドラ主演としてカムバックした作品で、現在も2期目が放映されている。8位の「ルーズヴェルト・ゲーム」は、唐沢寿明さん主演のドラマで、原作は池井戸潤さん。10位の「ごめんね青春」は、宮藤官九郎さん脚本のドラマで、錦戸亮さんと満島ひかりさんの軽快な演技が視聴者の心を掴んでいる。一方の人気キャラクターランキングでは、妖怪ウォッチのキャラクター「ジバニャン」が当然1位……と思いきや、「ドラえもん」が1位を獲得し、長年日本のアニメ界を引っ張る貫禄を見せつけた。3位「ふなっしー」と5位「くまモン」は有名ご当地キャラクターとして、二強の地位を確立している。4位のピカチュウも堅実にランクインを果たした。○都道府県別ランキング都道府県名と合わせて検索されたキーワードがわかる都道府県別ランキング。地域によっては、地震などの自然災害や事件・事故などの関連検索が並んでいるが、Twitterなどで話題となった千葉県の「千葉ットマン」や神奈川県と茨城県の「よくわかる神奈川県」「よくわかる茨城県」など、"面白ネタ"もよく見られる。都道府県ごとのトップ5は以下の通り。○その他は?ほかにも米国やグローバルにおける急上昇ランキングも公開されており、それぞれ1位はロビン・ウィリアムスさんがランクイン。日本でも話題になった単語の多くが上位を占めており、「Ebola(エボラ出血熱)」や「Frozen(アナと雪の女王)」「ISIS(イスラム国)」「ALS Ice Bucket Challenge」など、社会現象、社会問題となった単語が多く並んでいる。「Japan」の関連検索では、ワールドカップの対戦国が多く並んでいるほか、「typhoon」や「volcano(御嶽山噴火)」など、自然災害に関する検索も見られた。「○賞」で何が一番検索されたかのランキングでは、「ノーベル賞」がトップとなった。最後に、急上昇ではない検索の総合ランキングでは「Yahoo」が1位に輝いた。2位に「YouTube」、3位に「Facebook」が入るなど、上位の多くは人気ネットサービスが占める結果となっている。
2014年12月17日米Googleは15日、米国などで提供しているiOS用「Google Wallet」アプリをアップデートし、割り勘機能やTouch ID認証のサポートを追加した。バージョン番号は8.174.19。割り勘機能は、他のGoogle Walletユーザーを追加して支払いを分担する機能。それぞれの支払い額を設定したら、追加したユーザーに支払いリクエストが送られる。Touch IDサポートはiOS 8で公開されたTouch ID APIを用いた機能と思われる。Touch ID搭載機種では、ピン番号入力の代わりに、ホームボタンに触れて指紋認証ですばやくGoogle Walletにアクセスできる。また、オフライン時にもギフトカードやポイントカードにアクセスできるようになった。これらの新機能のほか、バージョン8.174.19ではiPhone 6シリーズのスクリーン解像度に対応、アプリが起動できないことがある問題が修正されている。
2014年12月17日Googleは12月11日(米国時間)、HDMI接続のスティック型デバイス「Chromecast」にゲストモード機能を追加した。同一のWi-Fiネットワークに入っていないAndroid端末でもChromecastに接続できるようになる。ゲストモードに利用できるのはAndroid 4.3以上を搭載した端末で、iOS端末は非対応となっている。また、ゲストモードはオプトイン機能となっており、Chromecast側で無効にすることもできる。
2014年12月12日米Googleは11日(現地時間)、iOS用「Google」アプリのバージョン5.0をリリースした。マテリアルデザインに従ってリニューアルされており、Android版と同じようにiOS版でもGoogleのサービスを存分に活用できるようになった。新デザインでGoogleアプリは完全にマテリアルデザイン化され、アニメーションやカード、フローティングボタンなどによって、効率よく検索にアクセスし、コンテンツを閲覧できる。iPhone 6シリーズへの最適化も行われた。新機能は3つ。Googleアプリでは検索結果のWebページやカードをアプリ内で開けるが、新たに設けられた「最近のページ」から過去に開いたWebページやカードにアクセスできる。最近のページはカードがタテにクルクルと回転するUIで、上下にスクロールしてカードをめくり、左右のスワイプでカードを削除する。最近のページやGoogle Nowなど、Google検索から離れた時には画面下部に「Googleボタン」がフロートする。設定を除いて、アプリ内では常にワンタップで新しい検索を行える。またiPhoneでは、地図、周辺のスポット、ストリートビューなどGoogleマップもアプリ内で使用できる(iPadではGoogleマップ・アプリに移動)。
2014年12月12日米Googleは現地10日、Android Wear搭載スマートウォッチ向けに、文字盤のデザインを変更できるWatch Faceアプリの提供を開始した。アプリには有料、無料のものがあり、Google Playよりダウンロード可能。同時に開発者向けに「Watch Face API」を公開した。Google Playからインストール可能なWatch Faceは10日現在で30存在する。パックマン、Plants vs. Zombiesといったゲームに登場するキャラクターをあしらったデザイン、Android Wearのバッテリ残量を示す「Battery Watch Face」など実用的なものが配布されている。Watch Faceを利用するには、OSをAndroid Wear 5.0にアップグレードする必要がある。また、開発者向けにWatch Face APIが公開されたことで、新しく自由なWatch Faceの開発が可能となる。なお、非公式の方法を用いてWatch Faceを作成していた場合は、公式APIへの移行が必要としている。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年12月11日米Googleは11日、Android Wearの文字盤インタフェース用API「Watch Face API」を、新しい設計ガイドとともに、公式に開発者向けに公開した。従来Google Playで文字盤インタフェース用のオプションが公開されていたが、非公式なアプローチであったため、同社は従来のAPIを利用している開発者は今回リリースされた公式APIに切り替える必要があるとしている。この公式APIを利用することで、開発者は文字盤に表示する情報やビジュアルを自由にカスタマイズして公開できる。例えば、Android WearでユーザーがAM-PM表示と24時間表示を変更できたり、時計の背景を変更できたりする。また、OpenGLを利用することで、天気やカレンダー表示なども滑らかに表示できるとする。同社はこのAPIにより、利用者が自分のスタイルを表現できる多くの方法を提案でき、アナログでもデジタルでもない、まだ見ぬ新しい時刻表示の方法を開発することが可能としている。Watch FaceはAndroid 5.0のAndroid Wear最新版で利用できる。
2014年12月11日米Googleが今年6月にGoogle I/O 2014で公開したVR(バーチャルリアリティ)ヘッドマウントディスプレイ・プロジェクト「Google Cardboard」。キットをダウンロードし、ダンボール紙、レンズ、磁石、ベルクロテープ、輪ゴムなどを使って、低コストでVRディスプレイを自作できる。Andrew Nartker氏(製品マネージャー)によると、Cardboardユーザーはすでに50万人を超えた。大きな製品プロジェクトではないが、急速にコミュニティが拡大している。そこで同社は10日(米国時間)にユーザーと開発者向けにCardboardのいくつかのアップデートを発表した。ユーザー向けには、Cardboard対応アプリのコレクションページ「Apps for Google Cardboard」をGoogle Playに用意した。Googleが提供する体験アプリ「Cardboard」、ポール・マッカートニーのライブをVRディスプレイで楽しめる「Paul McCartney」など、10日時点で24個のCardboard対応アプリがリストされている。また、公開しているCardboardの仕様書をカッティングツールも考慮したものにアップデートした。開発者向けにはソフトウエア開発キット「Cardboard SDKs for Android and Unity」を公開した。同SDKによって開発者は、レンズの歪みの補正や頭のトラッキング、2画面のレンダリングといったVRに関する負担から解放され、アプリそのものの開発に集中できるようになる。
2014年12月11日米Googleは12月4日(現地時間)、Google Appsのパートナープログラム一新を発表した。Appsや、Chrome、Cloud Platform、Maps、Searchといった製品毎にわかれていたプログラムを、新しくGoogle for Work and Education Partner Program(英語サイト)に統一。この新プログラムにより、パートナーが、Googleの製品やサービスを統合的に扱うことを可能にし、ユーザーに紹介しやすくなる。新しいパートナープログラムは、ユーザーの要望にあわせた3つのトラック「セールストラック:販売とマーケティングに特化したスキルをもち、販売実績が特に多いパートナー向け。既存顧客への対応や更新管理も含む」「サービストラック:販売、コンサルティング、トレーニング、デプロイメント、技術的サポートといったサービス全般のスキルをもつパートナー向けのトラック」「テクノロジートラック:Google for WorkおよびGoogle for Educationの各種製品を強化、補完、拡張する追加機能をもつ製品、およびそれをベースにした製品・サービスを開発するパートナー向けのトラック」で構成される(複数のトラックに加入が可能)。また、最高のカスタマーエクスペリエンスを提供のため、パートナープログラムに加入条件とプロセスを変更し、2015年より順次適用する。パートナーへは、「Google for Work Connect(営業コンテンツ、マーケティングキャンペーン、サポート資料、トレーニングなどを提供するパートナー向け情報共有サイト)へのアクセス」「プログラムに関する情報」「販売パートナーコンソール(発注・顧客管理ツール)」「Google for Work もしくは Google for Education の認定パートナーバッジの使用」「製品の販売およびマージン」「パートナー検索サイトへの掲載」を提供する。また、各トラックごとに、より優れた経験とスキルをもつパートナーとしてプレミアパートナーを認定。プレミアパートナーには、「パートナーセールスのアサイン」「協業マーケティングの機会」「マーケティングファンドやインセンティブプログラム(予定)」「プレミアパートナー限定トレーニング、イベントへの参加」「認定プレミアパートナーバッジの使用」を追加で提供する。Googleは、この新プログラムを通じ、引き続きパートナーへのサポートと投資を適切におこない、パートナーとともに、ユーザーに最高の製品・サービスを活用いただけるよう関係構築を強固にしていくとしている。
2014年12月08日米Googleは12月2日(現地時間)、Android 5 Lollipopのアップデート「Android 5.0.1(LRX22C)」をリリースした。AOSPでソースコードを公開。Google Developersを通じてNexus 9(Wi-Fi)用、Nexus 7(Wi-Fi)用、Nexus 10用のファクトリーイメージを提供している。同社はAndroid 5.0.1の変更内容を明らかにしていない。Ars Technicaの「Android 5.0.1 released; fixes inadvertent factory reset bug」によると、細かなバグ修正のほか、意図せずにデータが消去される問題への対応が含まれる。ロック解除に数回失敗した場合にデータが消去されるように設定し、パターン・アンロックを用いている場合、Android 5.0ではシングルタップも"失敗"と見なされる。起こりにくいケースではあるが、何度か画面に触れてファクトリーリセットが起動する可能性がある。またNexus 7の動画再生に障害を起こし得るバグの修正も含まれるという。
2014年12月04日コマースリンクは12月2日、商品データフィード最適化サービス「DFO」が、Googleの提供する航空券や不動産、求人などの動的リマーケティングに対応したと発表した。「DFO」は、外部の集客媒体を利用するために必要となる商品データを作成・登録する代行サービスで、「商品検索サイト」や「価格比較サイト」「アフィリエイトプロバイダ」「リターゲティング広告」「Google Merchant Center」といった約40種におよぶ媒体の仕様に対応する。動的リマーケティングは、GoogleAdWordsのリマーケティング機能の一つで、ユーザーが過去にWebサイトで参照した商品や関心を持ちそうな関連商品をピックアップし、同ユーザー専用の広告をディスプレイネットワークに表示する。DFOは、2013年7月より小売業向けの動的リマーケティングに対応しており、2014年12月時点で、丸井やワコール、ゴルフダイジェスト・オンラインなど合計16社が同サービスの利用実績があるという。今回の対応により、広告主は、フィードデータの作成や更新などを意識することなく、動的リマーケティングを利用できるようになる。
2014年12月03日米Googleは1日(現地時間)、クリスマス恒例となるサンタクロース追跡サイト「Google Santa Tracker」2014年版を公開した。「Google Santa Tracker」では、クリスマスまでの日数をカウントダウンできるカレンダーや、クリスマスまで毎日1つずつ公開されるミニゲーム、各国のクリスマスの祝い方などを紹介している。クリスマスイブの24日には、Googleマップ上でサンタの居場所をトラッキングしていく予定。24日のゴールデンアワーに備え、Googleの開発陣は「そり追跡アルゴリズム」を開発したとのこと。Android向けアプリ、Chrome拡張機能、そしてChromecast対応も果たし、ユーザーは「Google Santa Tracker」Webサイトに加え、Android端末やGoogle Chrome、Chromecastでもサンタを追跡することが可能だ。
2014年12月03日GoogleがGoogleロゴの落書きデザインコンテスト「Google 4 Doodle」の第6回目のグランプリを選出した。見事、栄冠を勝ち取ったのは、岐阜県立大垣北高等学校1年生の長谷川ゆいさんによる「卒業」だ。このコンテストは日本では2009年から始まり、第6回目となる今回は、92,294作品の応募があった。小学1~3年生、小学4~6年生、中学生、高校生の4部門からなり、5地区×4部門×2作品、合計40作品があらかじめ選出され、11月19日まで特設サイトで一般投票が行われていた。11月30日に六本木ヒルズの同社本社で開催された表彰式イベントには、この40名が招かれ、各賞の表彰を受けた。長谷川ゆいさんの作品は、ペン画で中学卒業のときの思い出を表現したもので、卒業証書筒のリボンや校章、そして桜の花びらなどがあしらわれたもので、Googleの「G」は制服につけていたコサージュになっている。冒頭にあいさつにたったGoogle執行役員CMOの岩村水樹氏は、最終に残った40名の子どもたちに対して、とにかく感動する心を持ってほしい、さらに、その感動した理由を考え抜く力を持ってほしいとし、応募作品にはそれを伝えたい熱い思いがつまっていたとコメント、これからも忘れられない瞬間をいっぱい作ってほしいと述べた。Doodleは落書きの意味で、いわゆるホリデーロゴとして知られ、ことあるたびにGoogleのトップページがその日にちなんだものに変わっていることでご存じの方も多いはずだ。それを自分で作ってみようというのがこのコンテストだ。長谷川ゆいさんの「卒業」は、12月1日のGoogleトップページを飾っているはずだ。彼女は副賞としてノートパソコンを受け取り、彼女の学校に対しては、PC助成金として100万円が贈られる。おそらくはデジタルネイティブだと思われる彼、彼女たちの創造力が、こうしたアートで表現され、それをGoogleが称えるというのも興味深い。願わくば、この子どもたちが、検索結果の行間を読めるリテラシーを身につけてほしいと思う。(山田祥平 @syohei)
2014年12月01日Googleは11月30日、 Googleのロゴをデザインするコンテスト「Doodle 4 Google 2014 『忘れられない瞬間』」のグランプリを発表した。「Doodle 4 Google」(ドゥードゥル フォー グーグル)は、小中高生を対象としたDoodleデザインコンテスト。日本では2009年から実施されており、第6回となる今回のコンテストでは「忘れられない瞬間」をテーマに、全国から約9万点の作品が集まった。なお、GoogleのいうDoodleは、Googleロゴを基に世界の祝日や記念日などを祝う特別ロゴを指す。30日に開催された表彰式では、一般オンライン投票と審査員の審査で選出された最優秀作品が表彰された。グランプリ受賞作品は、岐阜県岐阜県立大垣北高等学校1年生の長谷川ゆいさんの作品「卒業」。同作品は、12月1日の1日限定で、Googleのトップページに掲載される。
2014年12月01日欧州(EU)での米国系IT企業に対する風当たりがさらに強まっている。今年夏に欧州委員会(EC)の規定した「忘れられる権利」に基づいてGoogleが関連リンクの削除に乗り出したことが記憶に新しいが、今後はさらに同権利の欧州外への適用のほか、公正競争を理念としたWeb検索事業とその他サービスの強制分離といった、将来的なGoogle分割の話題へとさらに踏み込む動きが出てきている。Apple、Facebook、Amazon.comといった企業もシェアを土台にした影響力拡大や租税回避の動きに警戒感が強まっており、今後も米国との間で大きな摩擦となっていくことが予想される。欧州議会(MEPs)は11月27日(欧州時間)、欧州内の"Digital Single Market"の成長に向けて障害を取り除くという提案が、賛成384、反対174、棄権56の賛成票多数で可決された。プレスリリースでは名指しされていないものの、前日に仏ストラスブールで行われたMEPsのAndrus Ansip氏によるスピーチでは、Digital Single Market実現の阻害要因となる存在としてGoogleら企業の名前が挙げられており、年間2600億ドルともいわれる欧州内の同市場の覇権をかけた綱引きがスタートしつつある。今回問題となっていることの1つは、欧州内でもGoogleの存在感が強まっており、域内のインターネット環境やビジネスがGoogleの影響下へと入りつつことに対する懸念がある。検索エンジンはすべてのWebサービスへの窓口となる可能性があり、決して自社に有利な形でのリンクやランキングが行われないよう、透明性を持って運用にあたるべきという考えだ。透明性や中立性を確保すべく、検索エンジンとその他サービスでGoogleを2分割すべきという意見はここからきている。最近話題となる「ネットの中立性(Net Neutrality)」や公明正大なビジネス習慣というのは特定企業による寡占状態を防いで成長を促すうえで重要な要素だが、一方で額面通りの説明とは受け取らず、欧州の巨大市場を盾にした極端な保護主義という批判もある。米国側の立場で同件を報じているWall Street Journalによれば、最近になりフランスとドイツが共同提案でEUに対して域内のビジネスルールをさらに強化するよう求めるようになっており、特に米国系IT企業をターゲットにした締め付けを模索しているという。2000年代前半にはMicrosoftとEUが長年にわたって争い、和解金の支払いとOSからのWebブラウザ分離で合意したが、今後はこうした動きをGoogleを初めとするIT大手らに対して仕掛けていくことになると考えられる。近年フランスでは、こうしたインターネットで大きな影響力を持つ米国IT企業群の頭文字をとって「Les Gafa (Google, Apple, Facebook and Amazon)」などと呼んでいるようで、域内でのシェアを拡大しているにもかかわらず、租税回避で落とされるはずの税金も限られるなど、地域系企業のビジネスにとって不利になるだけでなく、利益を吸い上げられるだけとの不満が鬱積している。顕著な例が、Amazon.comのシェア拡大に危機感を抱いたフランス政府が、同社の目玉サービスの1つである「無料配送サービス」を禁止したところ、同社はすぐに「1セント」での配送オプションを追加するなど、露骨な対抗手段を取ったことなどに現れている。実際のところ、個別対応や規制ではすぐに回避されてしまうため、欧州全体で対抗に向けた策を練るべく検討を始めた……というのが今回の動きなのかもしれない。
2014年11月29日米Googleは11月24日(現地時間)、ChromeブラウザのNPAPI(Netscape Plugin Application Programming Interface)プラグイン・サポートを完全終了するまでのスケジュールを明らかにした。現在ChromeはNPAPIプラグインをサポートしているが、自動実行できるプラグインはホワイトリストに登録された一部のプラグインに制限されている。その他のNPAPIプラグインは、ユーザーが実行を許可することで特定のサイトにおいて使用することが可能だ。Chromeチームは2015年1月にホワイトリストの提供を終了させる。ホワイトリストに登録されたNPAPIプラグインも自動実行できなくなり、デフォルト状態で全てのNPAPIブラグインがブロックされる。そして同年4月にChromeのNPAPIサポートが無効化され、Chrome Web StoreにおいてNPAPIプラグインを必要とする拡張機能が非公開になる。ただし、移行完了が間に合わなかった一部のユーザー向けに試験運用機能(chrome://flags/#enable-npapi)経由またはエンタープライズ・ポリシーを通じて、一時的にNPAPIを再有効にするオプションを残しておく。同年9月には再有効オプションも削除し、ChromeにおけるNPAPIサポートが完全に終了する。NPAPIはブラウザとネイティブアプリケーションを結ぶ薄いレイヤーとして重宝されてきたが、モダンブラウザにおいては老朽したアーキテクチャであり、セキュリティと機能の両立が難しくなっていた。そのためChromeチームは今年の春に、近い将来にChromeでNPAPIプラグインのサポートを終了させる考えを明らかにし、HTML5 Media ElementsやWebRTC、Native Client (NaCL)など替わりになるソリューションへの移行を呼びかけていた。Googleによると、9月13日時点で8.9%だったJavaプラグインの月間使用率が10月14日には3.5%に減少した。6%だったFacebookプラグインは3%に、9.1%だったUnityプラグインは1.9%というように順調にNPAPIプラグインの使用は減っている。
2014年11月25日米Googleが「Contributor」という新サービスの提供を米国で試験的に開始した。無料でサービスや情報を提供しているWebサイトまたはコンテンツ提供者が、利用者からの寄付という形で収入を得られるようにする。無料で利用できるWebサイトの多くは広告を掲載して収入を得ているが、Webサイトの価値と広告収入が比例するとは限らない。トラフィックは少なくても、熱心な利用者を抱えているサイトもある。そこで広告ではなく、利用者によるサポートから収入を得られるようにするのがContributorである。パブリッシャーやコンテンツクリエイターのためのクラウドファンディングと呼べる。貢献者(Contributor)は1-3ドルから毎月の寄付金を決める。Contributorに参加しているWebサイトをユーザーが訪れると、広告枠に広告ではなく、サポートに感謝するメッセージが表示される。Gigaomによると、ユーザーの寄付金は全ての参加サイトに配分されるのではなく、ユーザーが訪れた参加サイトに支払われる。ユーザーは自分が頻繁に利用する参加サイトをサポートすることになる。現時点で、Urban Dictionary、The Onion、ScienceDaily、WikiHow、Mashable、ImgurなどがContributorに参加している。Mashableだけが飛び抜けてトラフィックが多く、主にWebコミュニティに貢献しているサイトが選ばれている。
2014年11月21日GoogleはこのところGoogle ChromeやChromiumのビルドをLLVM Clangへ置き換える作業を進めている。この活動は2014年11月に入ってから活発になっており、11月に投函されたメールによれば、特定の機能をClangで実装するにはどうすればよいかといった技術的なやり取りが積極的に行われている。GoogleはこれまでMac OS X版のChromeのビルドにClangを使用してきた。Android版のChromeもすでにGCCからClangへの置き換えが実施されているほか、直近ではLinux向けのChromeのビルドがGCCからClangへ置き換わっている。GCCとClangの双方が生成するバイナリの性能はほぼ互角とされることが多いが、Clangはビルド時間が短く、しかもビルドエラーなどの出力が理解しやすいことから開発者に人気がある。GCCをビルドに採用してきたプロジェクトがClangへ移行した例はほかにもある。FreeBSDなどの*BSD系プロジェクトがデフォルトのコンパイラをClangへ変更したほか、LinuxディストリビューションではOpenMandriva LxがClangへ移行している。エンタープライズユースではPlayStation 4の開発環境がGCCからClangへ移行済み。ビルド時間の短さが開発効率に結びつきやすいことがClang普及の後押しになっているようだ。
2014年11月19日米Googleは17日(米国時間)、付箋を模したメモ作成Androidアプリ「Google Keep」の最新バージョン「3.0.01」を公開した。最新版では友達や家族とメモを共有できるほか、共同編集も可能になっている。「Google Keep」はメモを作成できるAndroidアプリ。Android端末のほか、Google Chrome OS、Android Wear、Webブラウザでも利用可能。最新バージョンとなる「3.0.01」では、新たに追加されたコラボレーション機能により、メモの共有や、メモ上での共同作業が可能となる。例えばショッピングリストを作成して保存し、これに対して家族がチェックを加えるといった使い方ができる。また、最新バージョンでは、ノートの検索も容易になっている。色別にフィルタリングしたり、共有設定となっているかどうか、リマインド機能がオンになっているか、画像や音声を含むかどうかなどの属性によるフィルタリングも可能。そのほか、Android Wear版のバグも修正されている。「Google Keep」の対応OSは、Android 4.0以上、Google PlayおよびChrome Web Storeよりダウンロードでき、価格は無料。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年11月18日アメリカ航空宇宙局(NASA)は11月10日、米カルフォルニア州に所有する飛行場「Moffett Federal Airfield」について、Googleの子会社であるPlanetary Venturesと60年間にわたるリース契約を結んだと発表した。契約額は合計で11億6千万ドル(約1340億円)に上るという。同飛行場はおよそ4km2の広さをもち、敷地内には歴史的な格納庫が3棟あるほか、管制塔、滑走路2本とプライベートゴルフコースがある。Googleはリース料とは別に2億ドル(約230億円)かけて同施設を改修する。修復後、3棟ある格納庫のうち「Hanger One」と呼ばれる格納庫を先端技術の拠点とし、宇宙探査、航空、ロボット工学などさまざまな分野の研究を行うという。残りの格納庫2棟も同様の目的での使用を予定している。NASAは同契約を通じてコストを減らす狙いがあり、Googleに貸し出すことで年間運営費630万ドル(約7.2億円)が削減されるという。
2014年11月12日オンライン動画配信サービスの「Hulu」は11月8日、GoogleのHDMI接続スティック型デバイス「Chromecast」に対応した。10月末に予告していた通り、AndroidおよびiOS向けのHuluアプリからChromecastを通じて、テレビ画面でHuluのコンテンツを楽しめるようになった。Huluアプリでは再生・停止、10秒巻き戻し、字幕設定などの操作が可能。スマートフォンやタブレットで観ていたコンテンツを一時停止し、その続きをChromecastを接続したテレビで視聴することもできる。Huleでは今回のChromecast対応を記念して、1カ月無料キャンペーンも実施している。Steven Neaes (c) 2013 BBC Larry Horricks (c) 2013 BBC
2014年11月10日Googleは7日、iOS向け「Googleマップ」アプリの最新版となるバージョン4.0.0の提供を開始した。最新版ではデザインを一新、iOS 8向けに最適化するなどの改良を行った。Googleでは先日、Android向けにもGoogleマップアプリの最新版を提供した。iOS、Androidの最新版で共通するのは、デザイン面での改良。配色を鮮やかにした「マテリアルデザイン」対応し、よりカラフルな見栄えにしたという。このほか、検索バーの中にあった「経路検索」ボタンが画面右下に移動したことも挙げられる。同社によると、片手でも押しやすい場所に配置したと狙いを説明している。iOS版では、このほか、タクシー配車アプリ「Uber」と連携し、同アプリをインストールしておくと、利用時に推定待ち時間と料金が確認できるという。なお、Android版とiOS版では、現段階において、アップデートによる利用可能な機能に若干の差があるようだ。Android版では、マップ表示画面最下部に「現在地付近のスポット」が表示され、そこをタップすることで、現在地付近のオススメスポットを探せる。任意の場所に地図の表示を変えれば、その場所のオススメスポットを表示できる。この機能自体は、iOS版で搭載されているものの、マップ表示画面最下部には表示されていない。
2014年11月07日米Googleは5日(現地時間)、「Googleマップ」のモバイルアプリを刷新した。配色を鮮やかにし、立体的な「マテリアルデザイン」に沿ったデザインを採用する。数日中にAndroidおよびiOS向けにロールアウトされる。マテリアルデザインは、「Android 5.0 Lollipop」で導入される、新インタフェースのデザイン体系。オブジェクトに陰影を取り入れ立体感をもたせるほか、鮮やかな色の採用で、レイヤーやボタンを従来よりわかりやすくする。新アプリでは、画面下部の情報シートをタップして情報レイヤーを上部に送り、写真やレビューを下部に表示させることができる。また、オンラインのレストラン予約サービス「OpenTable」(米国のみの機能)やハイヤー配車サービス「Uber」と連携し、「Googleマップ」上でレストラン予約や、配車のピックアップ時間、目的地までの料金などを確認できる。
2014年11月06日米Googleは5日、iOSとAndroid向けアプリ「Google Maps」の最新版を発表した。Googleの新しいユーザーインターフェースのデザイン「マテリアルデザイン」に沿うもので、さらに直感的に操作できる。今後数日かけて提供される。最新の「Google Maps」は、「Android 5.0(Lollipop)」に合わせて導入されるユーザーインターフェースのデザイン「マテリアルデザイン」を採用。現実の世界に似た表面や陰影、鮮明な色などが特徴となっている。これまでと比べ、レイヤーやボタンがよりわかりやすくなっている。たとえば、画面の下にある場所の情報をタップすると情報レイヤーが上部に動き、その下に写真やレビューなどが表示されるという。ユーザーインターフェイスに加えて、レストラン予約サービスの「OpenTable」、ハイヤー配車サービス「Uber」とも連携し、「Google Maps」からレストラン予約をしたり、目的地までの行き方の選択肢にUberの待ち時間や予想価格が加わった。なお、「OpenTable」は米国のみでの提供となる。(記事提供: AndroWire編集部)
2014年11月06日「モバイルファースト」が叫ばれて久しい昨今、その先陣を切るGoogleがアジア太平洋地域におけるモバイル戦略を紹介するプレスイベント「Google The Mobile First World」を台湾・台北で開催している。同イベントではAndroidの最新バージョンであるAndroid 5.0(Lollipop)を積極的に紹介している。Android 5.0では、「マテリアルデザイン」と呼ばれる様々なデバイスに共通して利用されるデザイン思想にAndroidを一新。単なるユーザーインタフェースだけではなく、アニメーションなども細部まで作り込んでいることが特徴だ。なお、この新バージョンについてはセキュリティも大きな強化を果たしている(関連記事:「スマホにロックをかける人はわずか半数 - GoogleのAndroidセキュリティ戦略」)。Windows 8に端を発し、iOS 7にも採用されたフラットデザインはAndroid 4.4のKitKat世代から導入されていたものの、それを更に推し進めたGoogle。そしてこのUIデザインを端末にも取り入れたものが、10月に同社が発表した「Nexus 6」と「Nexus 9」だ。両デバイスが公開されたのはアジアで初めてとなる。読者の方はご存知だろうが、NexusシリーズはGoogleが「リードデバイス」として提供する端末で、開発者がアプリ開発を行なう上でベースになるとも言うべきデバイスだ。もちろん、Android OSはデバイスベンダー各社が自由にカスタマイズできるため、Nexusで動作確認を行なったとしても全ての端末で問題が起こらないというわけではない。しかし、OSの高機能化とともに、「デバイスベンダーがAndroidをいじらずとも、サクサク動作する」といった環境が整いつつあり、以前ほど断片化がなくなってきているのも事実だ。そういった意味でNexusシリーズをベースとした開発は今後もより一層加速する可能性がある。また、日本国内の開発者であってもグローバル展開を視野に入れている場合、Android 2.3のGingerbredへの対策も重要視されてきた。ただ、Android 4.4 KitKatでRAMメモリのOS使用量を大幅に削減するといった取り組みもあり、Googleとしても積極的な巻き取り施策を行なっている。その巻き取り施策に近い形で発表された取り組みが「Android One」だ。Googleが特定のデバイスベンダーと提携し、インドやフィリピンといった新興国に限定して格安のAndroidスマートフォンを提供するという取り組みになる。これは、日本のスマートフォンユーザーにしてみれば関係のない話だが、アプリ開発者にとっては重要な話だ。追って紹介するGoogle 会長 エリック・シュミット氏のオープニングスピーチでは、シュミット氏がアジア市場の伸びについて言及するなど、アジア市場の伸びはめざましい。アジア市場は人口が多く、潜在的なモバイルプラットフォームに対するニーズが高い。今後の収益の柱として新興国に先鞭を打つ意味でも、Androidの拡充は開発者にとって大きな意味を持つわけだ。また、モバイルの世界でホットな話題と言えば「ウェアラブルデバイス」だろう。Googleがウェアラブルデバイス向けプラットフォーム「Android Wear」を発表しているが、6月に発表されたLGとサムスンの2製品が展示されていた。こちらの2製品は初期の発表に過ぎず、現在では「Moto 360」や「LG G Watch R」といった従来の腕時計と同じ丸形のデバイスも発表されている。ウェアラブルデバイスは市場が立ち上がったとはいいがたく、Appleが9月に発表した「Apple Watch」についても、まだ見通しが定かではないというのが正直なところだろう。しかし、先ほどと同じくエリック・シュミット氏がウェアラブルデバイスについて「身体をモニタリングする」ものとして、拡がる可能性を示しているように、現状のまま市場がしぼんでいく悲しい未来が待っているわけではないはずだ。デバイスベンダーの競争が進めば、そのプラットフォームを提供するGoogleを通して、開発者が飛躍する未来も十分に描けると言えよう。
2014年11月04日