強さの中にある優しさは、時に背中を押し、時にともに歩む。力強く響き渡る、その音楽の源はどこから来るのだろうか。いまや日本全国で活躍するバンドとなったWANIMAに、“同郷”熊本から生まれるパワーやつながりについて伺いました。同じ気持ちで生きてきた。ともに帰る場所がある、強さ。熊本県・天草市で幼い頃から一緒に育ったベースボーカルKENTAとギターのKO-SHIN。そこに、熊本市出身のドラムのFUJIが加わり、2012年から現在の3人で活動をスタートしたWANIMAは、“同郷”というかけがえのない絆で結ばれている。と同時に、彼らはライブに来るお客さんとの絆をとても大切にするロックバンドだ。ルーツであるメロディックパンクを軸にしながら、親しみやすいメロディで歌うのは、仲間とともに少しでも良い未来に進めたら、というポジティブなメッセージ。そういう音楽を、彼らは、聴き手の顔を直接見ることができるライブの現場で届けることにこだわってきた。いわば、そこはWANIMAとお客さんの“心の故郷”だ。どこまでも人間らしい体温で、自らのロック道を邁進するWANIMAの3人に、彼らの生き方をかたちづくった原点=熊本について話を聞いた。――WANIMAにとって、地元・熊本はどういう場所ですか?KENTA:僕とKO-SHINは天草で生まれたんですけど、昔はとにかく早く天草から出たかった。でも、いまはライブで帰ると、テンションが高くなります。良い思い出も、良くない思い出も詰まっている場所です。――熊本への想いが変わったのは、いつ頃でしたか?KENTA:上京してからですね。曲を創るときに、熊本の景色を思い出すことで、メロディや歌詞に辿り着くことができます。――よく思い浮かべるのは、どんな景色ですか?KENTA:僕とKO-SHINでやってたHANIMAっていうバンドで、朝5時に起きて、バスで熊本市内のライブハウスに毎週行っていました。僕らは市内を「街」って呼びます。そこに、新市街、下通り、上通り、あとは並木坂っていうのがあって。その景色は鮮明に覚えてますね。――KO-SHINさんとKENTAさんは実家が近くて、小さいときから一緒に育ったんですよね。KO-SHIN:そうですね。走ったら10秒ぐらいの距離です。――KO-SHINさんは、熊本に対して、どんな想いがありますか?KO-SHIN:待ってくれてる人がいますし、景色も変わらずに残ってるので、パワースポットですね。活動拠点にしてる東京とは違う気持ちにさせてくれます。――FUJIさんは、ふたりとは少し離れてて、熊本市ですよね。FUJI:さっき言ってた、並木坂に近いところです。僕は、18歳で家を飛び出して、昔は帰れない場所だったんですけど、いまは、逆に帰れる場所があるから踏ん張れるなと思ってます。KENTA:故郷はすごく安心できる場所で、逆に気が緩むからなるべく帰りたくない気持ちもありますね。まだ戦っている途中です。――東京に出てから、FUJIさんが加入したわけですけど、同じ熊本出身であることが、加入を決めるきっかけにはなりましたか?KENTA:それもありますけど…当時、お互い本当にギリギリの状態でした。FUJIくんも、「もう熊本に帰ろう」っていうときだったし、僕らも、ドラムが抜けて、いよいよダメかっていうときだったから、出会ったタイミングで同じ方向を目指せました。KO-SHIN:僕のなかでは熊本っていうのは0.1ミリぐらいだったかもしれないです。切羽詰まってたから、早くバンドとしてやりたい気持ちが強かった。FUJI:僕は熊本の人とやれるのは大きかったです。それなりに決意をして出てきてるんだろうなっていうのが表情でわかったので。KENTA:地方から出てくる人はみんなそうだと思いますね。僕らはもう一生帰らないぐらいの気持ちで熊本を出たので。知り合いがひとりもいないなかに飛び込んだけど、少なくともこの3人は同じ熊本の空気を感じながら生きてきたっていうのはあるから、わかり合えました。FUJIくんが参加して、方言とか、県民性とか、他のバンドにはないものを生かせるようにもなったと思います。――WANIMAから見る、熊本の県民性はどういうものですか?KENTA:自分が信じたこと、やりたいことに対する情熱はすごいと思います。「火の国」とか、「肥後もっこす」っていう言葉があるぐらいですからね。FUJI:肥後の頑固者。そんな人が多いですよね。――3人にも当てはまります?KO-SHIN:譲れない頑固な部分もあると思います。それがないと、バンドを続けられない気もします。――方言は、文字だと伝わりにくいと思いますけど、3人とも九州の訛りで喋りますね。KENTA:標準語になると、もぞもぞしちゃう。最初に東京に来たときは、みんなドラマみたいな喋り方やなって思いましたね。「何してるの?」とか、熊本では、「何しよると?」なんですよ。その「の」って何?って思ったりして(笑)。――東京で、方言が一緒の人に会ったりすると、テンションあがることがありませんか?KENTA:すぐにわかりますよね。九州の中でもけっこう離れてる県はあるじゃないですか。でも、同じ九州ってだけで、「九州ですか!?」みたいになります。FUJI:「あ、仲間おった」みたいな。KENTA:鹿児島なんか行ったことなかったのに、「鹿児島ですか?僕は熊本です!!」とか(笑)。これは九州の人あるあるですね。そこで絆が生まれるっていう。FUJI:もっと言うと、西日本丸ごと仲間ですよ(笑)。――はははは。ちなみにWANIMAのメンバー同士の絆について、いまはどう感じていますか?KENTA:倒れるときは一緒です。365日中360日ぐらいは一緒にいますから。常に同じものを見てるので、その強さは音にも姿勢にも出るのかなと思います。KO-SHIN:いつか熊本に帰るときは3人一緒ですね。――その絆の強さは、最新アルバム『COMINATCHA!!』にも表れているんでしょね。KENTA:創ってるときは会話がなく進みます。FUJI:いまこういうことを考えてるんじゃないかとか、口に出さなくてもわかるので。――このアルバムには、「りんどう」という熊本の県花をテーマにしたバラードが収録されています。KENTA:りんどうは、群れて咲かない花です。そして、「悲しんでいるあなたを愛する」という花言葉があります。そういうところが、WANIMAのライブに来る子たちにも通じる。みんなひとりで答えを出して、生きていると思うんです。だから、歌詞のなかで、“弱いままで強くなれ”って歌ってるんです。自分もそういう姿勢で生きていけたら、みんなとともに良い方向に向かえるんじゃないかって。――WANIMAのバンドの在り方にはお客さんと「ともに生きる」という想いも強いですよね。KENTA:そうですね。僕らのライブがWANIMAにとっても、お客さんにとっても帰る場所になったらいいなと思っています。「ああ、そういえば、WANIMAとライブをしたよな」とか「WANIMAに出会えてよかった」っていう場所や景色や瞬間を増やしていくことで、お客さんとつながって生きていけると思うんです。僕らは、そこに重きを置いて生きていますね。ワニマ熊本県出身のKENTA(Vo&B)、KO-SHIN(G&Cho)、FUJI(Dr)の3人組ロックバンド。2010年に結成、2017年に第68回NHK紅白歌合戦出場。最新アルバム『COMINATCHA!!』を引っ提げ全国ツアー中。※『anan』2019年11月13日号より。写真・ISAC(SIGNO)取材、文・秦 理恵(by anan編集部)
2019年11月07日インスタフォロワー数、約1060万人!今、最も旬といわれる韓国人俳優ナム・ジュヒョクさんが初登場。北海道と東京で撮影した写真集を発表するなど、日本活動も本格化させた彼の魅力とは。188cmの高身長に、持て余すくらい長い手足。まず驚かされるのはその抜群のスタイル!「中学の部活が厳しいバスケ部で、3年間ひたすらジャンプとストレッチをしていました。それで一気に20~30cmも伸びたんです。急に大きくなったので感覚が掴めず、当時はしょっちゅう頭をぶつけました。今は、まったく運動せずに家で寝てばかり(笑)。『そろそろカラダ作りをしないと』と思っているところ」モデルから俳優に転身し、’17年、ドラマ『ハベクの新婦』で演じたツンデレの水の神役でブレイク。翌年、映画『安市城 グレート・バトル』で演技力を高く評価され、一気にスターダムへと駆け上がった。作品が決まると、日に何度も台本を読み、絶えず役のことを考えているそう。「台詞覚えは早い方だと思います。あと、相手のアドリブを受けるのが上手いんですよ(笑)。キャラクターが置かれている状況を理解した上でカメラの前に立つので、どう来られても動じません」「平凡な日常を生きる人々を描いた作品に出たかった」という。その願いが叶ったのが、最新ドラマ『眩しくて(原題)』。作中では記者志望の青年を熱演したけれど、もし、未来の自分にインタビューするなら?「『ずっと夢見ていたことは叶いましたか?』と聞いてみたいですね。僕の芝居を観た方が笑ったり泣いたり、共感してもらえる演技者になるのが夢。21歳で俳優に転身した時、10年計画でその夢を実現させると決めました。今は、まだ道半ばです」日本映画『ジョゼと虎と魚たち』の韓国リメイク版の主演が決まるなど絶好調。自身が好きな日本映画を尋ねると、『怒り』『ヒミズ』『誰も知らない』とヒリヒリするタイトルが挙がった。「作品性の高い映画が好きなんです。『怒り』は、初めて観た日本映画なので、特に印象深い作品。宮崎あおいさんが嗚咽するシーンにはとても心を揺さぶられました。いつか僕も、あんな演技をしてみたいです」1994年2月22日生まれ。2013年、韓国でモデルデビュー。7/5、映画『安市城 グレート・バトル』が全国公開される。現在、ドラマ『眩しくて(原題)』がKNTVで放送中。※『anan』2019年5月29日号より。写真・ISAC(SIGNO)スタイリスト・Hye Jin Jungヘア・Mi Young Jungメイク・Soo Jin Kim取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2019年05月28日高校バスケをテーマにした青春映画『春待つ僕ら』。出演するイケメン5人、稲葉 友さん、磯村勇斗さん、北村匠海さん、小関裕太さん、杉野遥亮さんが作り出す結晶が、まばゆくて…。一転、インタビューは男子高生のようなワチャワチャが炸裂!――今回、映画の共演というかたちで集まられましたが、このメンバーでよかったと感じたことは?北村匠海:僕は撮影中、ケガをしちゃったんですけど、本質的なところで支えてもらえたことですね。(稲葉)友君は「このハプニングを乗り越えられるメンツだから」って言ってくれました。稲葉 友:確かに、あのケガによってメンバーの気持ちがひとつに固まった感じはありましたね。磯村勇斗:バスケの練習の時から、とにかく楽しくて、映画にはその雰囲気がそのまま流れてます。北村:磯村君は、僕がケガしても変わらずボケてくれて(笑)。小関裕太:磯村君、別の現場ではツッコミじゃなかった?稲葉:磯村はオールマイティカードのジョーカーなんだよ。小関:杉野っちとは、よく一緒に帰って「ラーメン屋に寄ろうよ」「お腹すいてないからやだ」みたいな会話したよね。杉野遥亮:あれ、断ったっけ?(しばし考えて)断ったね(笑)。北村:遥(よう)ちゃんは、マイペースだから(笑)。みんなが小ボケ言い合ってるところに頑張って入ろうとして「無理だ…」って言っちゃうタイプ(笑)。稲葉:行動が犬みたいに自由奔放で、感情が全部顔に出ちゃう。杉野:全部、言い当てられた(笑)。稲葉:でも、撮影になると、決めるとこは決めるからカッコいい!北村:小関君は、大富豪で言うと(ジョーカーにも勝てる)スペードの3じゃない?杉野:最強!磯村:ちゃんと“自分”を持ってるよね。小関:嬉しいなあ。いつも会話をしっかり締めてくれる友は(場を流せる)8切りだね。北村:じゃ、僕は5あたりのカードってことで…。稲葉:そこはエースでいいだろ~。照れるなって!――仲良しの5人ですが、同世代の俳優として、ライバル心は?小関:まったくないです。特にこの映画は、部活のように一緒に汗かいて、ごはんも食べてましたし。練習初日から、このメンバーでいい作品を作りたい気持ちしかなかったですね。磯村:キャラがかぶってればバチバチしたかもしれないですけど、それぞれ芝居を確立してるメンバーなので、信頼しかなかったです。稲葉:おのおのの戦い方で戦っている、尊敬できるメンバーですね。北村:上の世代は、ひとりでのし上がるみたいな野心があったと聞いたことがありますが、僕らってお互い褒め合うし、意見もぶつけ合える関係なんです!稲葉 友(写真左)1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。’10年『クローンベイビー』(TBS)で俳優デビュー。主演ドラマ『平成ばしる』が12月28日24:20~テレビ朝日にて放送のほか、’19年1月11日より映画『この道』が公開予定。コーデュロイカーディガン¥32,800シャツ¥22,800(共にアンバー/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)ネックレス¥78,000(ノブ イケグチ TEL:03・6438・9036)その他はスタイリスト私物磯村勇斗(写真左から2番目)1992年9月11日生まれ、静岡県出身。朝ドラ『ひよっこ』で脚光を浴び、現在はドラマ『SUITS/スーツ』に出演中。初写真集『あなたがみる僕は―』が発売されたばかり。ブルゾン¥54,000(ブラックウィドー/O代官山2号店 TEL:03・6455・3361)パンツ¥68,000(ダブレット/スタジオ ファブワーク)その他はスタイリスト私物北村匠海(写真中央)1997年11月3日生まれ、東京都出身。映画『君の膵臓をたべたい』で大きな注目を浴びる。公開待機作に『君は月夜に光り輝く』。’19年1月期のドラマ『グッドワイフ』に出演。ジャケット¥35,000パンツ¥26,000(共にアンデコレイテッド TEL:03・3794・4037)その他はスタイリスト私物小関裕太(写真右から2番目)1995年6月8日生まれ、東京都出身。子役を経て、ミュージカル『テニスの王子様』で人気を博す。今年は本作を含め『ちょっとまて野球部!』『曇天に笑う』など映画4本に出演。ジャケット¥68,000パンツ¥30,000(共にニューターム/ホワイト ロッジ TEL:03・6421・8084)Tシャツ¥13,000(アトリエ ベトン/スタジオ ファブワーク)ベルト¥14,000(メゾン ボワネ/エディフィス 新宿 TEL:03・5366・5481)靴¥19,000(アーバンリサーチ ロッソ/アーバンリサーチ ロッソ ミント神戸店 TEL:078・230・4710)その他はスタイリスト私物杉野遥亮(写真右)1995年9月18日生まれ、千葉県出身。’15年、第12回『FINEBOYS』モデルオーディションでグランプリ。映画『L DKひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』が’19年3月公開。CPOシャツ¥32,000パンツ¥34,000(共にウル)シューズ¥31,200(ブローム) 以上スタジオ ファブワークその他はスタイリスト私物『春待つ僕ら』友達のいない高校生・美月(土屋太鳳)とバスケに本気で打ち込む男子たち。彼らのキラキラした恋と友情を『ROOKIES‐卒業‐』の監督が描く。主題歌は、土屋さんと北村さんが組んだユニットTAOTAKの「Anniversary」。12月14日より全国公開。※『anan』2018年12月19日号より。写真・ISAC(SIGNO)スタイリスト・Shinya Tokita(北村さん)吉本知嗣(小関さん)齋藤良介(磯村さん)Takumi Iwata(杉野さん)荒木大輔(稲葉さん)ヘア&メイク・Shinya Fukami(Y’s C/北村さん)shibuya(vitamins/小関さん)佐藤友勝(磯村さん)松田 陵(Y’s C/杉野さん)松本和也(W/稲葉さん)取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2018年12月15日