小池都知事がanan読者に伝えたい想いとは? 「仕事か出産か」二者択一ではない社会と人生を
小池:私の場合は症状がかなり重かったので、45歳の時に子宮を全摘しました。今思えば日頃から自分の体をいたわるべきでした。でも、生理が重いからといって休めるような風潮ではなかったですし、私自身も「女性だからと甘えてはいけない」と、無理をしていました。婦人科を受診する時間もなく、放置してしまっていたんです。
岡田:それは今の時代も同じ。「休みづらい」「甘えていると思われたくない」と我慢をしてしまう女性は多いです。激しい生理痛を我慢し続けた結果、子宮内膜症で不妊になってしまう患者さんも多くいます。妊娠&出産において、医学的にもっとも適しているのは20代なのですが、若いうちは忙しくてそれどころではないという女性も多いと思います。
小池:妊娠&出産に至るまでには、仕事のタイミングや結婚など様々な過程がありますよね。少子化対策が叫ばれていますが、今の社会は女性が直面している現実を理解して応援しているかというと、必ずしもそうではない。だから、多様なライフプランを叶えられる環境を作るための施策が必要。都として独自に不妊治療の費用助成を行っているのもそのためです。
岡田:人工授精や体外受精、顕微授精などは保険適用になりましたが、治療にかかる時間の負担が大きく、仕事を辞める女性も。