人に好かれ、自分のことも大好きになれる香り「CHANCE Eeau tendre」
最後の1本はアニック グタールの「プチシェリー」という香水だった。洋ナシのような香りがして、若々しく甘い香り。かぐとなぜか脳裏に部活動を外で頑張っているタイプのイマジナリー女子高校生が浮かんでくる。私の脳のシナプスどうなってしまっているのか。
心が浮足立つような素敵な香りがする高級なフレグランスなのだけれど、自分はこの香水から連想するイメージになりたいわけではないかもしれないなと、香りに対して初めて自我が芽生えた。
このとき、社会人として謎に意識が高まっていたことで、彼女からの自立を少し意識していたのかもしれない。
それからお互いに忙しい会社に就職して、彼女とはめっきり会うことがなくなった。彼女が何の香水を使っているのか、会うことがなければもちろんわからない。
それまで彼女と同じ香水しか買ったことがなかったので、新しい香水を選ぼうにも何を良しとしたらいいのか、何を買えばいいのかすっかりわからなくなってしまった。この世にはいい香りのものが多すぎる。
しばらくは、ドラッグストアで買ったヘアコロンをかけてしのいでいた。
この頃は仕事が忙しく、家に帰る頃にはすっかり深夜だったので、家でビールばかり飲んでいた。