2018年、油断していたら香水にハマった。
アニメ好き・ジャニーズ好きの友人たちがよく「あの沼は、覗き込んだだけで足をとられるから……」とバナナフィッシュやセクゾやキンプリを前にして嘆くのを聞いていたので、「自分が絶対好きになっちゃうジャンル」には近づかないのが賢明だということはわかっていた。
……のだけど、興味本位で水たまりみたいな浅い部分に足をポチャッとつけてみたら、気がついたときにはすでに隣でアンコウとかがユラーッと泳いでいた。
不覚だった。辺りを見渡すと、思っていた10倍は自分が深いところにいるのに気づいて途方に暮れてしまった。
早々に降参して、この連載で香水の話をしたい、しようと思った。でも、香水について調べ始めたら、知れば知るほど付け焼き刃でなにかを語っていいようなジャンルではないということがよくわかってきた(香水に限った話ではないけれど)。
香料が生まれた由来や伝説的な調香師の話、個性豊かなメゾンの話など、私がほんの少しかじっただけでも興味を惹かれるような要素が香水にはたくさんあるのだけれど、その魅力を紹介するなら間違いなく、もっと適任者がいる。
だから今回は、私が香水にハマったきっかけでもある“香水の紹介文”と、最近リピートしている香りとの個人的な出会いについて書く(読者各位、5分でいいのでこの話に付き合ってほしい)。