2019年3月1日 11:00
パニック障害を克服した大場久美子「安心アイテムを携帯して」
「私の場合は動悸と息苦しさが主な症状でした。40歳手前ぐらいから、楽しいときでも苦しくなるので、なぜだろう?と。でも、検査を受けても何も異常が見つからず、ドクターショッピングに近い状態が続いていたんです」(大場さん・以下同)
原因もわからないまま、数年間苦しんだという大場さん。その後、’03年にパニック障害などの疾患に詳しい医師に巡り合い、ようやく診断されたという。
「原因がわからない不安のほうが大きかったので、診断されたときはむしろうれしかったです。病気とわかったのだから、治そうと」
現在、パニック障害の治療には、薬物療法のほかに、偏ったものの見方を修正し、行動を変えていく『認知行動療法』も重要とされている。しかし、当時の大場さんが医師から提案されたのは「休養して入院し、お薬を飲みましょう」というものだった。
「でも、私にはその選択肢はなかったんです。
入っている仕事をキャンセルすることなんてできないし、一人暮らしだったので収入が必要でした。軽い精神安定剤を処方されたこともあったのですが、もともと風邪薬も慎重に飲むほどで、薬が効きすぎる体質なのか、めまいで起き上がれなくなったこともあって、飲みませんでした。