2019年3月1日 11:00
パニック障害を克服した大場久美子「安心アイテムを携帯して」
それでも階段を上るように、症状は改善されていった。支えになったのは、生きがいである仕事を続けられたこと。そこには事務所の全面的なサポートがあった。
「自宅から仕事場までの間にある、あらゆるトイレの場所を調べてくれたり、収録中に発作が起きて歌えなくなった場合に備えて後輩をたくさん連れてきてくれたり。『何があっても大丈夫』という環境を整え、見守ってくれました」
こうして、テレビで公表するころには「克服」していたと振り返る。もちろん、これは大場さん個人の体験で、パニック障害の克服には専門家のサポートが不可欠だ。
「本当の認知行動療法は、まず、心理療法士やカウンセラーとともに進めていくのが一般的です。お医者さんに薬を処方していただくことが必要な時期もあると思います。
ただ、きちんとカウンセリングを受けて、認知のゆがみを修正する必要性があればそれを行うことで、病気に限らず、その後の人生も生きやすくなると思います」
大場さん自身も、闘病経験を生かして心理カウンセラーの資格を’08年に取得。現在は女優業と並行して、さまざまな人の心の悩みに耳を傾ける日々だ。「パニック障害が再発する可能性は、ゼロとは言い切れません。