2019年3月1日 11:00
パニック障害を克服した大場久美子「安心アイテムを携帯して」
何より芝居が大好きだったので、休業して入院するなんて、とても考えられませんでした」
闘病を見守った事務所の代表いわく、大場さんは「ど根性の人」。試行錯誤しながら、自力でパニック障害に向き合っていった。
「たとえばパニック障害だと、発作が怖くて電車に乗れなくなることが多いのですが、私は乗れないと決めつけず、どうやったら乗れるかを考えました。発作が出たときに、誰にも見つからずに座り込めるトイレの場所を把握しておくだけでも、安心材料になりました。ほかにも、予期不安(発作を繰り返すと、『また発作が起きたらどうしよう』と強い恐怖感を抱くようになる)に襲われたときに、すぐ誰かとつながれる携帯電話も大きな支えでした。そうやって自分の中の『安心アイテム』を増やすことで『できない』から『できるかもしれない』が増えていく。いま思えば、私は自然と『ものの見方を変えていく』ことをやっていたのだと思います」
だが、当然闘病には苦労も――。
「テレビ番組の公開収録のときなどは、たくさんのゲストもお客さまもいる抜け出せない状況に、息苦しくなってしまうこともありました。
そんなときは、自分を思いっきりつねったりして、やり過ごしていました」