2019年8月2日 15:50
じつは“薬”が原因なのかも……その認知症“治るかもしれない”
薬の種類が増えるほど薬同士が合わないことによるトラブルの可能性は高まりますし、65歳以上になれば誰でも薬の副作用は出やすくなるのです」(小田センター長・以下同)
冒頭の女性のように薬の副作用が原因で認知機能障害が起こるケースは多く、抗不安薬のほか睡眠導入剤、総合感冒薬、胃酸を抑えるH2受容体拮抗薬などは要注意だという。
もの忘れがひどくなる脳の病気には、前出の4大認知症のほかに、脳を覆う髄液が脳内で滞り脳を圧迫する「正常圧水頭症」や、頭を打った後しばらくしてから血腫が頭蓋骨内にできて脳を圧迫する「慢性硬膜下血腫」がある。いずれも外科手術で症状が改善する可能性があるという。ほかに、飲みすぎていたお酒を断つことで、認知機能が元に戻ることも。
「ほかに、甲状腺ホルモンが不足して代謝が低下することで認知機能障害が起こる『甲状腺機能低下症』はホルモン補充療法で、ビタミンB12欠乏症による認知機能障害はビタミン補充療法で改善されることがあります。大切なのは、治るかもしれない認知症を見逃さないことなのです」
見逃しを防ぐためにも役立つのが「お薬手帳」。認知症が疑われた際は、医師に今飲んでいる薬をきちんと確認してもらうことがカギだ。