女性不調の専門家がすすめる「食べて脳を癒す」セラピー
まだまだ若くはありますが、加齢によって体内の老化が進むのは確か。女性ホルモンの分泌や排卵を行う卵巣の機能も、当然ながら低下してきます。しかし、ホルモンの司令塔である脳は“サボるな!”と、以前にも増して強い指令を送ろうとするため、オーバーワークしてしまうのです。特に脳の視床下部は、ほかのホルモン分泌のコントロールや体温調節、呼吸、精神活動などをつかさどる、いわば自律神経と免疫系の中枢です。ここがオーバーワークすると、体のさまざまなところに影響が出てきます。たとえば、感情のコントロールができず気分が上下する、風邪をひきやすくなる、じんましんが出るなど……これら“自分が自分でなくなる感覚”がいわゆる更年期障害と呼ばれる症状の一例です」
更年期特有の女性のイライラはある意味、自然な老化現象ともいえそうだ。だが、症状が強い人、そうでない人との違いはどこからくるのだろう。
「更年期特有の症状は、(1)体の健常性やホルモンの変化の度合い、(2)心理・性格的な要因、そして(3)環境の3つの要素が複雑にからみ合って生まれます。
だから、人によって時期や程度はまったく異なるのです」と池下先生。じつは、先生自身も40代直後から4年近く、重い更年期障害の症状に苦しんでいたという。