女性不調の専門家がすすめる「食べて脳を癒す」セラピー
以来、好きなものをおいしく楽しく食べることと、心のケアの深い結びつきに着目するように。それが池下流の「食べて自分を癒す」フードセラピーだ。
「更年期障害からくるイライラの解消というと、どうしてもホルモンバランスの改善ばかりに意識がいきがちですが、もとをたどれば脳のオーバーワークが引き起こすコントロール機能の乱れなわけです。だから、脳にアプローチする食事で脳を癒してあげることは、非常に重要です。具体的には、人間のもつ五感をフルに働かせて脳の動きを活性化させること。脳は五感が刺激されると、本来の働きを取り戻そうとします。その意味でも“食べる”という行為は有効ですし、食べるだけでなく、食べるものを“作る”行為も、弱った心にいつしか生きるパワーを与えてくれます」
池下先生が提案する「食べるセラピー」に、難しい決まりや節制はない。五感を研ぎ澄ませながら“心を動かす”ことを意識して、“作る”から“食べる”までの過程を楽しみ、慈しめばいいのだ。
「更年期を迎えたからといって、自分が女性として終わったわけではけっしてありません。むしろ、新たなステージへと進むために、体がサインを送っていると前向きにとらえていきたいもの。食べることで心も人生も豊かにし、イライラともうまくつき合っていけるようになるといいですね」