医療費自己負担率引き上げで、糖尿病の生涯医療費は40万円増に!
「医療費は、手術や入院を伴う病気にばかり目が行きがちですが、1回の医療費が安価であっても、20年、30年と長期間治療を受け続けることの多い生活習慣病のほうが、最終的には高額になるケースがあるのです」
こう語るのは、新宿・立川・川崎に展開する駅ナカ診療所「ナビタスクリニック」理事長で、医師の久住英二さんだ。
「とくに年金生活では、医療費は大きな負担となります。ましてや、これまで医療費が1割負担だった75歳以上の高齢者でも、’22年度からは一定所得があれば2割負担に引き上げられる見通しです。身近な病気にいくらかかるのかを知っておき、健康に留意すれば、将来的に病気や家計の不安を軽減できるはずです」
そこで50代女性が罹患しやすい糖尿病の医療費が、92歳(将来的に現在の平均寿命87歳よりも5年ほど長くなることを想定)までに、どのくらい膨れ上がるのかを算出してみた。
糖尿病は40歳以上の4人に1人が患者か予備軍といわれる国民病。
「インスリンは血糖値を下げる働きがありますが、その能力を超える糖質を摂取して高血糖状態が続くと、血管内皮細胞が傷つき、血管が狭く、細く、血栓ができやすくなります。その結果、腎症、網膜症、神経障害を合併するリスクを高めることに」(久住さん・以下同)
月に1回の診療費は、概算で再診料720円+処方箋料680円+糖尿病が適用される特定疾患療養管理加算2,250=3,650円。3カ月おきに行う血液検査は4,020円だ。
「薬は、インスリンの働きを促すメトホルミン(10.1円)を1日4錠、血中の糖分を尿として排出させるSGLT2阻害薬(195円)と、血糖値の高さに応じてインスリンを分泌させるDDP-4阻害薬(127円)を、それぞれ1日1錠とします。薬局で支払う調剤費は1種類につき800円ほどなので、3種類で2,400円になります」
診療費、薬代、調剤費を合わせると、年間で22万956円となる。
現在は69歳までは医療費の自己負担が3割、一般的な所得であれば70~74歳は2割、75歳以上は1割だ。よって、50歳で糖尿病に罹患した場合、生涯の医療費は194万4,385円となる。
だが、現在検討されている“75歳以上2割負担に引き上げ”が実施された場合、医療費は234万2,113円と、約40万円もアップしてしまうのだ。「女性自身」2020年1月28日号 掲載
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