2020年1月16日 06:00
医療費自己負担率引き上げで、糖尿病の生涯医療費は40万円増に!
「医療費は、手術や入院を伴う病気にばかり目が行きがちですが、1回の医療費が安価であっても、20年、30年と長期間治療を受け続けることの多い生活習慣病のほうが、最終的には高額になるケースがあるのです」
こう語るのは、新宿・立川・川崎に展開する駅ナカ診療所「ナビタスクリニック」理事長で、医師の久住英二さんだ。
「とくに年金生活では、医療費は大きな負担となります。ましてや、これまで医療費が1割負担だった75歳以上の高齢者でも、’22年度からは一定所得があれば2割負担に引き上げられる見通しです。身近な病気にいくらかかるのかを知っておき、健康に留意すれば、将来的に病気や家計の不安を軽減できるはずです」
そこで50代女性が罹患しやすい糖尿病の医療費が、92歳(将来的に現在の平均寿命87歳よりも5年ほど長くなることを想定)までに、どのくらい膨れ上がるのかを算出してみた。
糖尿病は40歳以上の4人に1人が患者か予備軍といわれる国民病。
「インスリンは血糖値を下げる働きがありますが、その能力を超える糖質を摂取して高血糖状態が続くと、血管内皮細胞が傷つき、血管が狭く、細く、血栓ができやすくなります。