これは寝る時間が遅い時間にずれていくため夜更かしになり、朝起きられなくなる(起床困難)というものです。
たとえば大学で夜型の生活をしていた学生さんなどは、社会人になったからといって、4月からいきなり朝6時起床のサイクルには適応できないため、出社困難、遅刻、昼間の居眠りなどで就労に支障をきたします。実際に春先から5月頃にかけて、産業医を通じて私たちのところにも睡眠覚醒概日リズム障害の若い方たちがたくさん受診されます。
睡眠相後退症候群の原因とは
睡眠時間帯の遅れる原因のほとんどは、夜遅くまで起きていて、パソコンやスマートフォンを見過ぎていることですが、中には夜遅くまで試験勉強を続けて、夜型になった人もいます。そのうち、寝ようと思っても寝付けなくなってしまい、朝になりようやく眠りにつくようになり、その結果起床時間が遅れることになります。夏休みや年末年始など長期の休みの後に睡眠相後退症候群になりやすい傾向があります。
睡眠相後退症候群の治療
朝の日光を浴びて、朝食をきちんととるという指導をすることからはじめます。夜早く寝ることよりも、朝起きるところから始めることが大切です。朝の光を浴びた約14時間後にメラトニン(熟睡ホルモン)