2021年10月14日 23:05
40歳以上の半数がなる!? 足の血管が悪目立ちする「下肢静脈瘤」ってどんな病気?【医師解説】
立ち仕事も下肢静脈瘤の原因のひとつです。立っている状態では血液が重力に逆らって下から上へ流れようとします。つまり、逆流防止弁に常に負担がかかっていることになり、働きが悪くなったり壊れてしまったりする可能性があります。
また、出産も原因のひとつに挙げられます。妊娠時には女性ホルモンの影響で逆流防止弁が柔らかくなります。さらにおなかが大きくなると足のつけ根の静脈が圧迫されて血流が悪くなるため、逆流防止弁に負担がかかりやすくなります。近年の研究によって、出産経験のある女性の2人に1人は下肢静脈瘤を発症すると報告されています。
加齢も原因のひとつとされています。
年齢を重ねるにつれて、体内の軟部組織(肌や筋肉などの柔らかい部分)の強度が弱くなってくるからです。静脈内の逆流防止弁も軟部組織のひとつですから、年齢とともに血液の逆流を防ぐ力が弱まると考えられます。
医学界では40歳以上の約半数が下肢静脈瘤になるといわれており、男女比はほぼ1:2で女性が多い傾向があります。
実際、私がこれまで治療をしてきた約1万人の下肢静脈瘤の患者さんのうち、40代~50代の女性が半数以上を占めます。上記のセルフチェックで当てはまる項目が多い人は、血管外科や下肢静脈瘤クリニックの受診をおすすめします。