「挿入するときに痛い」「奥をつかれると痛い」など、性行為中の痛みに悩んでいる女性は少なくありません。ですが、パートナーには痛みを感じていることを伝えられず、我慢してしまうケースもよくあります。今回はそんな性行為中の痛みについて、どんな原因があって、どのように対策したらよいのか、産婦人科専門医の筆者が解説していきます。
性交痛の一般的な原因
性交痛とは、性行為時に感じる痛みを指します。大きく分けて、入り口付近が痛い場合と、膣の奥が痛い場合の2種類に分けられます。
入り口付近が痛い場合の原因
通常は、性的な興奮が高まったり物理的な刺激を受けたりした場合に、腟内に潤滑液が出てくるという反応が起こります。この潤滑液が不十分だと、挿入したときに痛みを感じやすくなるでしょう。うるおい不足の原因としては、大きく3つあります。
1つ目は、前戯が不十分な場合です。性行為における前戯は、お互いの性的興奮を高めて、スムーズに挿入できるようにする目的があると言えます。前戯が不十分だと、挿入により摩擦が強くなることで、痛みの原因となる場合があります。
2つ目は、女性ホルモンの減少によるもの。更年期や産後など、女性ホルモンの1つであるエストロゲンが減少する時期には、潤滑液が少なくなることがあります。