2021年2月9日 22:00
<実らなかった不妊治療#1> 「いつか産める」の誤算。キャリアで逃した妊娠適齢期
不妊治療を躊躇し、37歳で自己流の「ゆる妊活」
「その後、育児雑誌『ひよこクラブ』の編集部で役職に就くなど、仕事はさらに忙しくなりました。妊活を意識したのは、ようやくその仕事に慣れてきた37歳くらいだったでしょうか。
プライベートでは、独身の友人に『生殖医療の進んでいるアメリカに行って、一緒に卵子凍結をしない?』と半分冗談、半分本気で誘われたりもしました。
といっても、当時私がしていたのは、市販の排卵チェッカーを使うくらいで、自己流のもの。朝早く出勤し夜遅く帰る生活は続いていたので、その妊活すらしっかりとは出来ていなかったですね。
ただ、自分としては妊活をしているという気持ちはあったので、胸が張ったりやたら眠くなったりと、偶然、妊娠の初期症状のような体の変化を感じると、『もしや?』と思うこともありました。ただ、期待は募るもののやっぱりできなくて……。そのときも『30代後半なのだから、人より時間はかかっても仕方がないよな』と、あまり大事には考えていませんでした」(二階堂)
―このとき、不妊治療を受けることは考えなかったのでしょうか。
「うーん、不妊治療をしている知り合いから、治療と仕事の両立の難しさを聞いて躊躇してしまったんです。彼女は、通院を理由に仕事を休むことを上司に責められたと言っていました。
10年ほど前は、不妊治療に対する理解が今以上に進んでいませんでした。『不妊治療は病気ではない。それなのに、部下を抱えるような立場で、たびたび、そして急に休んでいいものだろうか……』。そう考えれば考えるほど、不妊治療に進むハードルを高く感じてしまって、断念しました。
今だったら、通院で休めるようになんとか仕事を調整すると思うし、不妊治療中の同僚がいたら、全力でサポートに回るんですけどね。
そして39歳のとき、不妊が理由ではなかったのですが、夫と離婚。
シングルになり、子どもを持つという選択肢はいったんリセットせざるを得ませんでした」(二階堂)
再婚、そして46歳からの不妊治療スタート
―妊活に取り組んだのは37歳からの約2年間になります。妊娠適齢期を考えると、少し遅かったのかもしれません。後悔していることはありますか?
「それはやっぱり、妊娠・出産に対する正しい知識を得ようとしなかったことですね。