2021年2月9日 22:00
<実らなかった不妊治療#1> 「いつか産める」の誤算。キャリアで逃した妊娠適齢期
当時仕事で関わっていたのは育児分野一筋で、妊娠・出産分野については今ほど知識がなかった。あとは、『芸能人の○○さんが40代で出産』なんてニュースを聞いたりすると、勝手に自信をもらって、『やっぱり自分も自然に産めるはず。人一倍体力もあるし、まだチャンスはある!』と思い込んでしまった。自分にとって都合のいい情報ばかりを信じようとしていたのかもしれません。
でも、妊娠のしやすさは人それぞれだし、医療技術が進んで高齢出産の割合が増えたとしても、人間の体そのものは昔と大きく変わらないのに……。女性の産める時期にはタイムリミットがあることを、もっと現実として冷静にとらえるべきだったと思います。
私にとって、人生のプライオリティは、仕事より、子どもを持つことのほうが高かった。それなのに、目の前にある忙しさを優先してしまった。
もっと俯瞰で自分にとって何が大切であるか、見極めるべきでした」(二階堂)
妊孕性(妊娠のしやすさ)は20代後半から低下していくといわれています。排卵日を意識して性交した場合でも、30代後半になると妊娠率は約3割に。さらに夫の年齢が5歳上になると妊娠率は2割を切るのだそうです※。
※出典:厚生労働省「平成25年5月2日第1回不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」資料「生殖補助医療の現状からみた特定不妊治療助成のあり方」16ページ「年齢別にみる排卵と妊娠率の関係」より
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000314vv-att/2r98520000031513.pdf
「離婚から7年が経ち、46歳のときに高校の同級生だった相手と再婚。彼と過ごすうちに、『この人との子どもを見てみたい』という思いが強くなりました。以前、不妊専門クリニックを取材したことから信頼できる医師とのつながりもあり、妊活には遅すぎる年齢ですが、夫と話し合い、不妊治療を受けることを決めました。ここからが、私の不妊治療の始まりでした」(二階堂)
<第2回に続く>
取材・文/来布十和
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