2022年1月31日 15:40
「もう二度と帰らないかも」産後すぐ妻が脳腫瘍に!新生児と3歳児の育児は想像を絶した…そんな夫の気付きとは?
後遺症はなく、目覚めてから2日後には自分で歩いてトイレに行けるようになり、食事も摂れるまでに回復した。
とはいえ、退院までは17日間を要した。コロナの影響で夫との面会は荷物の受け渡し時の2、3分のみ。新生児と3歳児のわが子には会えないし何もできない。そんな状況がもどかしく、情けなく、悔しくて涙が流れた。
一方、夫の大輔さんは孤独な育児に追われていた。
1日に8回の授乳、夜中は数時間ごとにミルク、日夜問わずぐずる赤ちゃんの世話。3食手作り、お風呂に入れ、不安定な息子の心を気遣いながら家事全般をこなす……。
「大変過ぎてあまり覚えていない」ほどだった。
当初は愛美さんの母の助けを借りたが、有給を使い果たし誰も頼れない状況に。なかでも一番大変だったのは自分自身と長男の精神を安定させることだったという。
「もう自分が不安で押しつぶされそうで。3歳の長男も精神的に不安定でした。倒れて救急車で運ばれたママの姿が最後だったからか、毎晩のように泣きながら寝ていました」
新生児を預かってくれる施設がない!
妻の面会に行くにも、子どもたちを連れて行くことは叶わず、新生児を預かってくれる施設探しに奔走したが、見つからなかった。
「生後間もない子どもを預かってくれる施設はどこにもありませんでした。区役所にも何度か相談に行きましたが、『今の段階で利用できるサービスはありません』とはっきり言われてしまいました」
出産した病院で、新生児の娘を特別に預かってもらえることになり、なんとか退院までの日々を乗り越えた。
「それが無ければどうなっていただろうと今でも思います」(大輔さん)
愛美さんが退院して帰ると、家が入院前よりきれいになっていた。毎日おかずも何種類か作ってくれていたことを知った。子どものお世話だけでも大変だっただろうに……。夫の頼もしさを知り、胸が熱くなった。
脳梗塞ではなく脳腫瘍!?再び入院、手術へ
退院したのも束の間、その後の検査で脳梗塞ではなく脳腫瘍だと判明した。しかも悪性のものだろうと診断された。
「初めて聞いた時、まず確認したのは余命でした。私は子どもたちが大人になるのを見られないの……と全身が冷たくなったのを覚えています」