お金だけでは解決しない少子化問題!実は2割以上の夫婦が悩む「セックスレス妊活」に対策はあるの?
授からなければ不妊治療を受けるのか、受けないのか。治療を受けるならいつまで、治療費はいくらまで、どんな治療を受けるのか。授かったあとの育児はどう分担するのか、そのとき仕事はどうするのか……というように、具体的な計画を2人で作ってみることが大切です。
漠然と子どもが欲しいと思うだけではなく、より具体的なイメージをつかむことで、次の行動に繋げていけるのではないでしょうか。その際の行動の選択肢として、カウンセリングや、不妊治療を受けるということも一つだと思います。
―「セックスレス妊活」に関して、経済的支援以外にどういった支援があると良いのでしょうか。そのために、周囲の人間や社会、企業などができることはありますか?
<野曽原氏コメント>
周囲に話しにくく、またカップル同士ではどうしても素直に話せないケースも多いです。今は生殖心理カウンセラーやFine認定の不妊ピア・カウンセラーもいますし、相談窓口を設置している企業や行政も増えてきました。
セックスレスについて直接的にサポートするよりは、子どもを持つことについて、第三者と話せる機会や安心な場を提供することも、2人目妊活に対するサポートと考えられます。
また、社会的には働き方改革が大きな意義を持ってくると思います。企業は組織のための人ではなく、人のための組織という意識を持ってほしいです。企業がセックスレスにできることは直接的にはないように思いますが、心身ともに健康であることが健康経営の一つの大きな要素でもあり、結果的にはセックスレスの解消につながるケースもあるのではと思います。
企業が従業員の心身の健康に配慮することは、「生産性向上」「業績向上」「従業員の活力向上」「組織の活性化」「企業価値向上」「人材の確保」など、経営の面から見てもプラスの作用があると言われているので、企業として取り組む意義が大きいと思います。広い視点、長期的な視点を持って、従業員の心身の健康に寄り添う企業が、社会にも貢献できる企業になるでしょうし、そのような社会になってほしいと願います。
少子化対策には企業や社会のより一層の理解が求められる。夫婦のコミュニケーションも重要
野曽原氏が言及するように、社員の健康に寄り添う企業のあり方も今後一層求められていくでしょう。