イラスト:もづこ
共働き家庭が増えたことによって、女性だけでなく男性も育児休暇を取得する人が少しずつ増えつつあると聞きます。そんななか、男性の育児休暇を義務化を目指す動きも見られ始めています。今回は、男性の育児休業について、考えてみたいと思います。
■育児休業の義務化には半数以上が「賛成」
アンケートでは、男性の育児休業義務化に賛成かどうか聞きました。その結果、
「賛成」と答えた人が50%を超え、半数以上のパパやママは男性の育児休業義務化を前向きに捉えていることがわかりました。一方で、
「どちらとも言えない」、「反対」と答えた人を合わせると5割弱となり、簡単には結論が出ない問題だということがわかります。
Q.男性の育児休業義務化、賛成? 反対?
賛成 53.9%
反対 10.0%
どちらとも言えない 36.1%
2016年10月から2017年9月までの間に妻が出産した男性において、2018年10月までに育児休暇をとった人は、
全体の6.16%となっています(※1)。
10年前は、同様の結果が1.23%だったのに比べると、上昇していることがわかります。
この背景にあるのは、共働き家庭の増加。2017年には共働き世帯1219万世帯、専業主婦世帯600万世帯となっていて、
共働き世帯は専業主婦世帯の2倍にもなっています(※2)。ただ、女性の82.2%が育児休業を取得しているのに比べると、男性の育児休業取得率は、6.16%という数字は高いとは言えません。
そこで、近頃提案されているのが、「男性の育児休業義務化」。今年6月に永田町の有志議員が、男性の育児休業取得の義務化を目指す議員連盟を発足させたことで、注目を集めています。
■賛成派意見その1「夫にも育児の大変さを理解してほしい」
イラスト:もづこ
では、まず賛成派の意見から見ていきたいと思います。
「うちは帝王切開だったので、術後熱が出たりで動きづらかったので、1週間でしたが夫がお休みをもらえたときは
とても心強かったのを覚えています。
おむつ替えもミルクもここで覚えました」(神奈川県 30代女性)
「人生のうち何度もあるものではないのだからやってみるといいと思う。子どもを産むことはできなくても子育てを母親だけの仕事という思いを変えるにはいい機会」(茨城県 40代女性)
「二人目が生まれたときに1ヶ月とってもらいました。自分の体と赤ちゃんの世話だけで大変な時期なので、上の子の保育園の送迎や買い物、洗濯を心おきなく任せる事ができ、大満足でした」(静岡県 40代女性)
「わが家は共働きではなく専業主婦だったので、子育て家事は私がメインでした。産後1ヶ月休暇を取ってもらえたら子育ての大変さがわかってもらえると思うのでお互いに優しくなれそうな気がします。何より子どもの成長を一緒に見られるのは宝です」(宮城県 40代女性)
これらの意見の裏側にあるのは、「子育ては夫婦で行うもの」という思いです。また、「かわいい時期を共有することで夫婦関係もよくなるのではないか」という声も集まっていました。
たしかに、産後のママは身体的にも精神的にもかなり追い詰められた状況になるため、何らかの助けを必要とすることが多いでしょう。里帰り出産をした場合でも家に戻ってたった一人で育児をすることの怯えからも、
頼れる相手のパパがいてくれることは、どれほど心強いことかと思います。