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急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

あんふぁん
朝の準備時間で、子どもの行動が遅くて焦ったり、イライラしたり、思わず「早く!」と叱ってしまうことはありませんか?「今よりさらに早起きするのではなく、朝の余裕が生まれる他の方法を知りたい!」というのが忙しいママの本音ですよね。今回は、そんなママにおすすめの、子どもを動かす声掛けテクニック、読者ママの実践アイデアを紹介します!

Q平日の朝時間を余裕を持って過ごせていますか?
急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

9割り近いママがバタバタしている!
Qバタバタしてしまう原因は何ですか?(複数回答)
急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

子どもの行動がバタバタの原因の上位に。
※あんふぁんぷらす調べ (実施期間:2015年11月10日~12月8日/回答数:328)
急かす、叱るはかえって子どもの動きを遅くする
朝が忙しいというのは、「大人の都合」。自分のペースで「親の時間を食べて大きくなる」のが子どもです。何でも「大人の2〜3倍は時間がかかる」と心得つつ、時短の工夫をしていきましょう。
また、子どもは不安や怒りなど〝負の感情〞が強いと、スムーズに動けません。だからママが「早く!」と急かしたり叱ったりすると、かえって動きが遅くなってしまうのです。日頃から子どもの話をじっくり聞いたり、スキンシップをとったりして不安感を減らしておくことも、朝をスムーズにする大事なポイントです。

実況中継の〝承認〟で気持ち良く動けるように
子どもを動かすには〝承認欲求(他人に認められたいという欲求)〞を満たしてあげるのがコツ。「ママの思い通りに動いて当然、動かなければ叱る」ではいけません。よくできたことを褒めるのはもちろん、「起きたね」「食べ終わったね」など、やったことを実況中継してあげるだけでも承認したことになり、「やることに価値がある」と感じてくれます。
ノロノロしていても「◯◯しなさい!」は避けて。2〜3歳なら「ママは何を手伝う?」「どっちの服がいい?」などと選ばせるのが効果的です。4歳頃からは、「何をするときかな?」「次は何をする?」と考えさせましょう。こうして自主性を育むと、自分でできることが増えていきます。
CASE1
食事に時間がかかる
急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

食べやすいもの、好きなもので楽しく
食欲は個人差が大きく、食の細い子や食にあまり興味がない子は、食事に時間がかかる傾向があります。
そうしたタイプでは、栄養バランスよりも、「食べやすいもの、好きなものを、楽しく食べる」を優先しましょう。好きでないものを食べるのは「苦行」となり、余計に時間がかかってしまいます。保育園で栄養バランスの良い昼食を食べるのですから、朝はごく簡単なものでOKと割り切って。「バナナとヨーグルト」や「おにぎりと前日のみそ汁」など、作るのも食べるのも時間がかからないメニューにしましょう。
朝食を食べたがらないタイプなら、「ご飯かパンか」「パンに塗るのはバターかジャムか」など、簡単なリクエストを聞いてあげるのがおすすめです。また、全部食べられなくても叱らないで。「よくかんでるね」「もうおしまいかな?」「ごちそうさまだね」など、承認の声掛けをして、「食べて良かった」という気持ちにしてあげてください。
ママの乗り切り術
時計を見ながら「ここまでに食べようね」と時間を意識させるようにしています。
(0歳、4歳のママ)
パンにキャラクターの絵を描いてあげると食事がはかどります。(0歳、2歳のママ)
メニューをおにぎりや果物など、子どもが食べやすいものにしています。(1歳のママ)
飲み物などの自分でできる準備はやってもらうことに。コップを食器棚の手の届く高さに置いておくことで、進んで準備するようになりました。(6歳のママ)
CASE2
身支度に時間がかかる
急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

競争やカウントは必ず子どもに勝たせる
2歳頃からは「自分でやりたい!」が強くなりますが、技術が伴わないので時間がかかりがち。ママが手伝おうとすると嫌がってかえって時間がかかるので、ボタンなど難しい部分をさり気なく手伝って「自分でできた!」という気持ちにさせてあげましょう。服を選びたがる子なら、ママが「どれを着ても大丈夫」と思えるものだけをタンスに入れておいて、自分で選ばせるとよいでしょう。
自分でできるけどモタモタするという場合は、「ママが食器を洗い終わるのと、どっちが早いか競争だよ!」などと誘うとスピードアップ。
「10数えるうちにできるかな?」なども乗せやすい方法です。コツは、毎回必ず子どもに勝たせてあげること。勝てば気分が良くなって、次の行動もスムーズに進みやすくなります。「着替えさせて〜」などとグズグズするのは甘えたいとき。ママとしては自分でやらせたいところですが、そんなときは手伝ってあげてくださいね。心が満たされないと、その後もグズグズが連鎖してしまいますよ。
ママの乗り切り術
保育園グッズと服をリビングのかごに入れて、自分で準備できるようにしています。(0歳、3歳のママ)
「このテレビ番組が終わったら着替えるよ」と決めると、グズらず動いてくれます。
(3歳、5歳のママ)
私と着替えの競争をするとスムーズにいきます。乗ってくれる日ばかりではありませんが…。(4歳のママ)
子どもが2人なので、上の子は夫、下の子は私と、分担して準備しています。(2歳、小学校低学年のママ)

CASE3
子どもがなかなか起きない
急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

手間はかかっても優しく起こして
子どもの睡眠は体内リズムに基づいているので、そもそも「◯時◯分だから起きる」というコントロールは難しいもの。まずは必要な睡眠時間がとれるように、就寝時間に気を付けましょう。
睡眠不足でないのに寝起きが悪いのは、体質が影響している場合もあります。前夜、泣きながら寝入ったりすると寝起きが悪くなるという子もいるでしょう。
朝は、多少手間がかかっても、〝気持ち良く目覚めさせる〞のが鉄則。
体をさすりながら優しく名前を呼んであげましょう。体をペタペタ触ってあげたり、甘えるときはリビングまで抱っこしてあげたりするのもいい方法です。
避けたほうがいいのは、「早く起きなさい!」と遠くから大声で呼び掛けたり、大きな音で起こすこと。覚醒していないときに突然大きな音がすると大人でもビックリするものですが、子どもはなおのこと。イラっとして目覚めることになり、起床後の行動もスムーズにいかなくなってしまいます。
ママの乗り切り術
大好きな戦いごっこを仕掛けて遊びながら起こしています。(2歳、4歳のママ)
前日に朝食のリクエストを聞いておくと、食べたいものだから早く起きてくれます。(1歳、4歳のママ)
寝起きに泣くと引きずるので、くすぐって笑わせながら起こしています。
(4歳のママ)
【東さんのおすすめ!】
朝の身支度 子どもにやらせるひと工夫
3歳頃からは、自分でできることを増やしていきましょう。朝ごはん、着替え、トイレ、歯磨きなど、朝時間の流れを絵で描いて、壁に貼ってみてください。目に見えるかたちになっていると、「どこまでできた?」「次は何する?」などの声掛けだけで動きやすくなります。5~6歳なら、自分で描かせるとやる気がアップします。もちろん絵は下手でもOK。それを見ながら準備を進めてくれるようになると、ママもグッとラクになりますよ。
急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

CASE4
出がけ&登園中にモタモタする
急かさない!怒らない!平日の朝時間スムーズ乗り切り術

夜の親子時間でメンタルを整える
「保育園に行きたくない」とグズる場合、多くは保育園が嫌いなのではなく、「ママと離れたくない、もっと甘えたい」が本音でしょう。ママから無理に離そうとすると不安感が増して、余計にすがりつくので、ギュッと抱っこして「大事な◯◯ちゃん♪」「今日は◯時にお迎えに行くよ。晩ご飯は何にしようか?」などと優しく話し掛け、気持ちを安定させてあげましょう。そして「今日は保育園で◯◯するんだよね」「◯◯ちゃんと遊べるね」などと、楽しいことをイメージさせて。そうしても別れ際に泣くことはありますが、そこは先生にパッと預けてしまいましょう。ママの心は痛みますが、別れた後、ほとんどの子は園で楽しく過ごせるので大丈夫です。
帰宅したら園でどんなことがあったか話を聞いて、「楽しかったね」「すごいね」などと気持ちを共有し、スキンシップもたっぷりとってください。家庭で使える時間で子どものメンタルを整えてあげると、保育園に行く朝もスムーズになっていくでしょう。
ママの乗り切り術
その日に保育園で楽しみにしていることを「今日は◯◯の日だよ」と教えてあげると、張り切って出かけてくれます。(4歳のママ)
子どもがグズらないように、とにかく褒めます。(5歳、小学校低学年のママ)
今日帰宅したら何をして遊ぶかを話しています。(0歳、4歳のママ)
読者ママはこうしている
ママ自身でコントロールできる、家事や身支度の時短テクニックを紹介!
朝食はメニューを決めて献立に悩まないように。みそ汁は前日に野菜とだしを器に入れて冷凍しておき、朝はレンジにかけてみそを混ぜるだけです。(1歳のママ)
朝食で使う食器は前日の夜からテーブルにスタンバイ。(3歳のママ)
洗濯は前日の夜にしてしまいます。(3歳のママ)
洗濯物をベランダではなく、洗濯機の隣のお風呂場に干すようにして、移動時間を短縮。換気扇で意外と乾きます。(0歳、3歳のママ)
自分の支度は子どもが起きる前に済ませる。(5歳、小学校低学年のママ)
自分が着る服も前日に決める。選ぶのに時間がかかるので…。(6歳のママ)
東さんからのアドバイス
子どもは、「正しいママ」よりも「機嫌のいいママ」が好き。「できないところ」を頑張ろうとしないで、「できそうなところ」を工夫しましょう。朝ご飯は手抜きでもいいんです。子どもができないときは、さりげなく手伝ってしまっていいんです。肩の力を抜いて、朝時間を乗り切りましょうね。

お話を聞いたのは:東ちひろさん
ひがしちひろ/幼稚園、小学校教員など教育に30年近く携わり、現在は「一般社団法人子育て心理学協会」代表理事。心理学とコーチングを使った独自のアプローチ法で2万人以上の子育てママの電話相談を受ける。著書に『子どもが伸びる!魔法のコーチング』(学陽書房)。

illustrationHARA Atsushi

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