子育ても安心、小さな島の4家族それぞれの移住ストーリー
と、さらっと答えてくれたMさん。「でも当初はここになじもうと必死で、子どものことを省みてあげられなかった時期があったかも…」とも話してくれました。
小学4年生だった次男は、現在、高校生に。町外の高校に通うため、島を離れて一人暮らしをしています。「けなげに頑張ってますよ」とMさん。私も母親としての気持ちが分かるだけに、その言葉からいろいろな意味を感じました。しかし、“かわいい子には旅をさせろ”精神が子どもの自立を促し、自然とたくましく育つことは間違いないはず、そう思います。
島で重宝される、なんでも屋さん!やヘルパーさん
30代後半のKさんは若い頃、軽トラックで日本中を移動し、旅をするように生きてきました。
そんな彼が祝島に魅了され、住み始めたのは2009年。今年で、9年目になります。
彼の仕事は、島の特産品のヒジキやワカメ、アカモクなどの海産物を獲り、商品にして販売すること。またビワの季節になれば、収穫から出荷までを担うなど、島の“なんでも屋さん”としても活躍中。この日も3歳の娘を連れてビワの出荷作業中に話を聞かせてくれたKさん、今月末には第2子が産まれるのだとか。「もういつ産まれてもおかしくない時期ですよ。楽しみですね」と、父の横顔。そんなKさんからは、自然で養われたたくましさと、大きなエネルギーが伝わってきます。
子どもたちが同級生で友だちになったNさん(30代前半)は、昨年末に家族4人で移住。この春、小学1年生になった長男は、船とスクールバスで小学校に通学。介護の資格を持つ彼女は、日中の空いている時間にヘルパーとして地域の高齢者のお世話をしています。物腰がやわらかく、やさしい笑顔の彼女に高齢者の方々も癒やされているだろうな…と想像しつつ、介護の資格は地方で生かせる資格だと再認識。
「仕事のときも、下の子(4歳)を連れてきてもいいよと言ってくれるし、島の人たちがやさしく見守ってくれて、本当にありがたいです」とNさん。
子どもは島のいたるところを遊び場に伸び伸びと育ち、親は安心して子育てができるので、子育てには理想的な環境。この島に移住したくなる気持ちが分かる気がします。
この日も民家で走ったり飛んだり、自由に遊んでいた
“楽しさ”と“安心感”が大変さを上回る、島での生活
地方で借りる家は都心と比べ物にならないくらい安く、自分で野菜を栽培したり、いただき物の海産物や野菜があったりで、生活費は想像しているよりも安くて済むのだとか。