シリーズ 専門家にきく! スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんに聞く チャレンジできる体のつくりかた第3回(全4回・レシピあり)
芋類や豆類、果物など何種類かの炭水化物を組み合わせて食事をすれば、それぞれのタイミングで血糖値が上がるので、血糖値を高いところで長い時間維持できます。これで、気持ちが安定したまま集中力を持続することができるんです。
――炭水化物というと穀物のイメージが強いのですが、玄米など精白されていないものの方がよいのでしょうか?
たしかに白米よりも玄米の方が栄養豊富です。ですが、玄米や全粒粉などを毎回の食事に取り入れるのが難しいときは、そのままで食べられるシリアルでもOKです。
おやつに玄米フレークやオールブランでチョコレートバーを作るのもいいですし、穀物と同じ炭水化物グループのサツマイモの焼き芋を買ってきて、裏ごしして、ナッツやドライフルーツ、煮豆などを加えて、ラップでギュッとしぼるとスイートポテトのでき上がりです。中身がギュッとつまった食事で、中身がギュッとつまった体をつくってあげてほしいですね。
――塾や習い事の都合で、食事の回数が曜日によって変わることは良くないのでしょうか。
なにより大切なのは、朝・昼・夜の三食を欠かさないこと。それに加えて、おやつも大切です。細胞分裂を続けている体はアミノ酸をほしがりますが、アミノ酸は体に少量しか貯蔵できませんし、アミノ酸のもととなるタンパク質も小腸の容量に上限があるので「食べだめ」ができません。ですから、1回にドーンと食べたからOK、という栄養素じゃないわけです。そうなると、1日3食以外のおやつでもタンパク質が摂れるようなメニューがおすすめです。
――タンパク質が摂れるおやつには、どんなものがありますか?
卵と牛乳でできているプリンもいいですね。おにぎりの中にチーズと枝豆を入れるのもいいと思います。そこにちりめんじゃこを入れれば、よくかむでしょうし、タンパク質といっしょにカルシウムも摂れますよね。
――成長期の子どもたちにとって、食事で気をつけることは共通なんですね。消化吸収を助ける調理、複数の種類の炭水化物が摂れるメニュー、朝・昼・夜の食事とおやつでタンパク質を欠かさない工夫。子どものためのアイデアが、チャレンジできる体づくりにつながることがわかりました。最後は、家庭でできる、もうひと工夫について聞きます。
その前に……「最新版スポーツ選手のための食事400レシピ」より、小中学生におすすめのレシピを2つ教えてもらいました。