学習指導要領の改訂で学校教育が変わる 第40回 国際社会で活躍するための次世代型スキルを育成する
今回と次回にわたって、つくば市立みどりの学園義務教育学校(小中一貫校)への取材を通じて、同校が取り組んでいるつくばスタイル科の授業を紹介します。
みどりの学園義務教育学校は、2018年4月に新設され、現在の児童・生徒数は小1から中3まで738人。チャレンジ、チェンジをモットーにかかげており、Wi-FiやコンピューターなどのICT環境が完備されています。
つくばスタイル科の「エコアクション」の授業では、環境問題について知識を得るだけでなく、つくば市の大学や研究機関の専門家に環境問題について気になっていることを直接教えてもらったり、家庭や学校などで行なっているエコ活動について実際に調べたりしています。専門家にヒアリングした情報や調べたことをもとに、子どもたちは節電のためのイラストをタブレットで描き、発表し合いました。
小学5年生の授業「エコアクション」では、専門家へのヒアリングや調べたことをもとに、節電について発表
そうした活動を通じて、子どもたちは、身近なところで環境に配慮したさまざまなエコ活動が行なわれていることを知り、知識をもとにどのように行動したらいいかを考えています。
また、「水とともに生きる『ヤゴ救出大作戦』」の授業では、学校のプールや池などにいるヤゴなどの水生生物を救出して育てたり、近くの池などに放したりして、学校周辺の環境の変化や生命の尊さを理解します。時代の流れで、環境が変化していることを身近に学びます。
「ヤゴ救出大作戦」のようす
小学2年生は、ザリガニを実際に育て、調べたことを発表していました。「インターネットで情報を調べるだけではなく、生物を実際に育てて観察することが大切」と、校長の毛利靖先生は語ります。
小学2年生の授業ではザリガニの飼育について発表する
充実した学びの環境のなかで、子どもたちは主体的に自分の興味を掘り下げて調べ、また課題を発見してどのように解決したらいいかを考えながら、学びを深めています。
次回は、ICTを使った発信型プロジェクト学習と外国語活動についてレポートします。
藤田由美子(ふじたゆみこ)株式会社ユーミックス代表取締役社長。1993年の創業以来、コンピューターリテラシー教育を数多く手がける。
「生きる力」「社会力」の育成をめざして、子ども向けICT教育のカリキュラム作りにも力をいれており、大手携帯電話会社のケータイ安全教室の企画立ち上げ、ネット安全利用推進プログラムの開発など、実績多数。
ドイツの小学校での入学直前説明会。担任の先生からの説明で一番驚いたこと【ドイツDE親バカ絵日記 Vol.76】