教えて! 陰山先生 質問を通して感じたこと「お母さんは心配しすぎ。子どもに対して心配しすぎず、笑顔でポジティブがちょうどいい!」
編集部:学研キッズネット編集部
人気連載「教えて!陰山先生」で、数々の悩みを解決してくれる陰山先生。その的確なアドバイスに力をもらい、子育てにはげんできた読者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、みなさんから寄せられた質問を通して先生が感じたこと、子育てにがんばるお母さんたちへの思いを語ってもらいました。
母親が「わたしが守らなきゃ」と思いこみすぎている
――これまで連載に寄せられた質問から、どんなことを感じましたか。
陰山:ずっと気になっていたのは「母親が神経質になりすぎているのではないか」ということ。今の時代は情報過多であり様々なできごとが耳に入ります。一方、子どもの状況が事細かに見えすぎていて、「わたしが子どもを守らなきゃ」という思いが強すぎるように思います。心配するあまり、かえって問題を大きくしてしまっているところもあるのではないかと思っています。
――具体的には、どういうことでしょうか。
陰山:テレビや本、ネットなどのメディアは、不安や心配事を取り上げることが多い傾向があります。少しでも心配事がある人は、解決策を求めてそれを読みますよね。
でも読むことで、余計に不安になってしまう人も多いんです。
たとえば、学校でいじめ問題が起きたとします。確かに、保護者が出ていかないといけない場面はあるのですが、決してすべてに関わる必要はないんです。相当レアなケースだからこそメディアに取り上げられている、すべてがそれと同じくらいの内容ではないと考えてほしいですね。自分たちの子ども時代を思い出してもらえばいいと思うのですが、子ども同士、考え方や意見の違いがあるのは当然のことで、トラブルは日常的に起きています。そこで、おたがい言いたいことを言い合ってケンカをしても、数日経てば仲直りするのが普通です。子どもはトラブルをくりかえして成長していくものですから。
心配性の保護者は、早い段階で子どもたちの問題に入っていく傾向があるのですが、そうなると子どもたちはどう対応したら良いのかわからずじまいで、戸惑ってしまいます。
結果的に、その保護者の子が避けられてしまうこともあり、あまり良いことにはならないのです。
――保護者が関わる必要がある場合とそうでない場合とは、どうやって見極めればいいのでしょうか。陰山:子どもの体に異常なあざがあるとか、そういうことを隠そうとするとかですね。