2017年5月15日 15:33
【専門家が徹底解説】発達障害児向けの民間支援施設の選び方は?見学前に親が意識したいことを聞きました
現在、小中学校では民間学習塾と連携して、教師の研修をしているところもあります。民間の発達障害支援サービスとも今後連携して、教員を指導ができるとよいと感じます。
地域全体で発達障害児教育を盛り上げていくための秘訣は?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=29000000892
ー大南先生は墨田区の社会福祉事業団に50年近く携わってきたそうですが、地域ぐるみで発達障害支援が盛り上がるポイントは何でしょうか。
障害がある人たちのニーズを、その地域で公表できる雰囲気があるかだと思います。「何をバカいってるんだ」という地域だったらニーズを公表できません。
下町である墨田区は昔から公表できる雰囲気がありました。実際、1953年という早い時期から、墨田区では全国に先駆けて特別支援学級を作ることができました。ーニーズが言える雰囲気づくりの他に、どういう方々が動いたのでしょうか。
ニーズが公表できて、中心的に動く人たちがいて、サポートする人たちがいて成り立ちました。そして教育委員会が動いて継続しています。教育委員会を巻き込めるかどうかが、ポイントのひとつです。23区には学校卒業後の余暇活動のボランティアがあります。ただ、充実しているところとそうでないところの格差はありますね。
ー余暇活動のボランティアとはどんな内容で、どういう方が携わっていますか。
日曜日などにお茶やスポーツなどの余暇活動をサポートする活動です。区民ボランティアも100人くらい登録していただいています。
ボランティア講座などを開いて、継続してボランティアに関われるよう工夫しています。高齢者の方のなかには、技能があっても、「お金はいらないからやらせてくれないか」という人が結構いらっしゃいます。眠っている市民の力がもっと活用できるといいなと感じます。
ー民間の療育教室でも、地域の商店街との交流が盛んな事例があるようです。
放課後に地域の方々が見守るような仕組みができるといいですね。実例を公表していくと、広がりやすいのではないでしょうか。
障害がある子をもつ保護者の方々も、そういう雰囲気のある地域は、通いやすくなります。教室を通うこと自体後ろめたさを感じている保護者もいらっしゃいます。
それを払拭できるのは地域の雰囲気づくりです。