リタリン(メチルフェニデート塩酸塩)とは?コンサータとの違いは?ナルコレプシーへの薬リタリンまとめ
コンサータはリタリンと同様の薬理作用をもつことから、理論的にはコンサータであっても薬物依存に陥る可能性があります。
しかし、医師の診断のもとで適切に服用すれば乱用にはつながらず、依存のリスクはとても低いと言えます。
なお、コンサータもリタリンと同様に「コンサータ錠適正流通管理委員会」が設置されています。処方上限日数も30日と定められ、適正な使用となるように厳格に管理されています。
薬物の乱用を繰り返すと、薬物依存という「状態」に陥ります。薬物依存と言う状態はWHO(世界保健機関)により世界共通概念として定義づけられていますが、簡単に言えば、薬物の乱用の繰り返しの結果として生じた脳の慢性的な異常状態であり、その薬物の使用を止めようと思っても、渇望を自己コントロールできずに薬物を乱用してしまう状態のことです。
引用:ご家族の薬物問題でお困りの方へ(厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課発行)|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/12/dl/tp1219-2h.pdfhttp://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1017-5f.pdf
参考記事:コンサータの流通管理について (ヤンセンファーマ(株)提出資料)|厚生労働省
ADHDのある人は何かに依存する性質があるといわれているため、薬物治療が原因で将来薬に依存してしまうのではないかと心配している人もいるかもしれません。しかし、ADHDのある人が中枢神経刺激薬を使用して薬物治療を行った場合に、薬物依存リスクは高まらないことがいくつかの研究で明らかになっています。
サウスカロライナ医科大学の教授で、ADHD分野の国際的な権威であるBerkeley博士は、中枢刺激薬で治療していたADHD患者の子どもを13年間にわたって追跡調査しました。その結果、子ども時代の中枢刺激薬の治療は、成人での薬物依存リスクを高めることにはつながらないことをつきとめました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12509561
参考文献:Barkley RA, et al. Pediatrics, 2003. 111(1):97-109
また、アメリカにあるマサチューセッツ総合病院につとめるWilens医師が複数の論文を横断的に分析したところ、子ども時代の中枢神経刺激薬でのADHD治療は、大人になってからのアルコール依存や薬物依存リスクを約1/2に減らすことが明らかとなりました。