子育て情報『レット症候群とは?女の子のみに発症する具体的な症状、予後、診断基準、医療費の助成などご紹介します』

2017年7月22日 15:00

レット症候群とは?女の子のみに発症する具体的な症状、予後、診断基準、医療費の助成などご紹介します

B.生後5カ月から4歳までの間に頭囲の成長は減速し、また5~30カ月の間に目的をもった手先の運動をいったんは獲得していたのに喪失すると同時に、コミュニケーション不全、社会的相互関係の障害を伴い、また体幹の協調運動障害/不安定さがあらわれる。
C.表出性および受容性言語の重度の障害があり、重度の精神運動遅滞を伴うこと。
D.目的をもった手先の運動の喪失時またはそれ以降に現れる、正中線上での常同的な手の運動(てもみや手洗いのようなもの)がある。

中根允文ほか/訳『ICD-10 精神および行動の障害ーDCR研究用診断基準新訂版ー』1994年/医学書院/刊

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819人のレット症候群患者の診察・遺伝子解析などの研究によって作成されたのがこの診断基準で、レット症候群の本質的な症状が明瞭・簡潔に載っています。現在、この改訂版の診断基準を医師に広めようという動きや活動もあり、これからより本質的な診断に期待ができそうです。

①診断基準(表1)に最新の診断基準を示す。

表1.レット症候群診断基準最新版(2010年版)
現在まで、世界で統一した診断基準は確立されていない。近年、Nuel JF,等は819例の検討で、下記の基準を提唱しています。

A-1. 退行のエピソードがあること(但し、その後、回復期や安定期が存在する)
A-2. すべての主要診断基準と、すべての除外診断基準を満たすこと
注)最後に述べる11の支持的診断基準は必須ではないが、典型例レットでは認めることが多い。

主要診断基準
・合目的的な手の機能の喪失:意味のある手の運動機能を習得した後に、その機能を部分的、あるいは完全に喪失すること
・言語コミュニケーションの喪失:言語(有意語、喃語)などを習得後に、その機能を部分的、あるいは完全に喪失すること
・歩行異常:歩行障害、歩行失行
・手の常同運動:手を捻じる・絞る・手を叩く・鳴らす、口に入れる、手を洗ったり、こすったりするような自発運動

典型的レット症候群診断のための除外基準
明らかな原因のある脳障害(周産期・周生期・後天的な脳障害、代謝性疾患、重症感染症などによる脳損傷)
生後6か月までに出現した精神運動発達の明らかな異常

A.典型的レット症候群の診断要件は上のすべてを満たすこと。
そして退行のエピソードがあること。(但し、その後、回復期や安定期が存在する)

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