子育て情報『お薬ってそもそも何?発達障害の薬物療法で気になる効果や目的、治療を行う上でのポイントを紹介します!』

2018年4月2日 11:00

お薬ってそもそも何?発達障害の薬物療法で気になる効果や目的、治療を行う上でのポイントを紹介します!

このことは、行動療法を行う場合にも、これまでには動機づけられなかったような小さなフィードバックに対しても、子どもたちが動機づけられる可能性を示しています。薬物療法は行動療法と相乗的に効果をもたらす可能性があるといえます。

また、自閉スペクトラム症(ASD)の易刺激性に対しては、リスペリドン(リスパダール®)やアリピプラゾール(エビリファイ®)といった抗精神病薬が使用されます。易刺激性とは、かんしゃく、人への攻撃的な言動、自傷、気分の変わりやすさとして観察される感情のコントロールの難しさです。

しかし、易刺激性の精神医学的な意味は必ずしも明確ではありません。薬剤は、抑うつ症状や気分の波、衝動性、こだわり、感覚過敏などのさまざまな面で効果を示している可能性があります。他方、易刺激性の背後には、相手の気持ちや社会的文脈を読み取りにくい、見通しを持ちにくい、コミュニケーション障害といった認知特性や対処スキルの乏しさがあります。

薬物療法の実施がその子の社会適応状況を一時的に改善したとしても、そのうえで認知特性に応じた支援やスキル獲得を目指した援助を実施する必要があります。



どういう場合に子どもに薬物治療を行うの?

お薬ってそもそも何?発達障害の薬物療法で気になる効果や目的、治療を行う上でのポイントを紹介します!の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272005309

発達障害という診断を受けたからと言って薬物療法を受けなければならないわけではありません。発達障害自体を治癒する薬はなく、薬物療法が唯一の治療的アプローチでもありません。そうすると、薬物療法は、どういう子どもの状態が対象になるのか、ということが問題になります。

子どもが抱えている問題について、さまざまな治療的アプローチを行った上でなおも残存する問題があり、薬物療法を実施することが、その子の問題の解決を促進すると考えられ、かつ、本人や家族がその治療を望む場合に、薬物療法が開始されることになります。実際に薬物療法を実施し、そのことによって期待される効果が得られるか、効果と副作用のバランスを見て、その治療がポジティブな結果をもたらすと考えられる場合に薬物療法は継続され、その治療が不利益の方が大きいと考えられた場合には、薬物療法は中止されることになります。

薬物療法を継続された場合でも、問題が解決し、薬物療法を継続しなければならない理由がなくなってきたならば、薬物療法を中止することになるでしょう。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.