子育て情報『お薬ってそもそも何?発達障害の薬物療法で気になる効果や目的、治療を行う上でのポイントを紹介します!』

2018年4月2日 11:00

お薬ってそもそも何?発達障害の薬物療法で気になる効果や目的、治療を行う上でのポイントを紹介します!

があります。

添付文書によれば「小児の自閉性障害、精神遅滞に伴う下記の症状:動き、情動、意欲、対人関係等にみられる異常行動、睡眠、食事、排泄、言語等にみられる病的症状、常同症等がみられる精神症状」に有効とされており、これだけをみるとあたかも万能薬のようにみえてしまいます。

ですが、当時と現在では適応症の決められ方が異なっており、この薬剤が他の抗精神病薬に比べて広範な効果を特別に示すとは考えられていません。この薬剤は、心電図のQT時間を延長させる作用があり、特に高用量では致死的な不整脈を起こすことがあります。そのため、最近では使用の機会が少なくなっています。

自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に使われる薬には、前述のとおりリスペリドン、アリピプラゾールがあります。使用する用量は低用量から中用量であり、鎮静を期待する量を使用することは好ましくありません。

一般的には、うつ病や強迫症、その他の不安症に対して用いられる薬剤です。
自閉スペクトラム症やADHDに抑うつ症状を伴うことがありますし、自閉スペクトラム症に強迫症状や社交不安などの不安症状を伴うこともあります。これらの症状に効果を示す可能性はありますが、逆にいらいらとした気持ちを高めたり、死にたい気持ちが高まることもありますので、注意が必要です。自閉スペクトラム症に伴う強迫症状には、抗精神病薬の方が有効なこともあります。気分の波やいらいら、感覚過敏などを伴う場合に使用されることがあります。気分安定薬の多くは抗てんかん薬としても使用されます。

一般的に使用されるベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬は、脱抑制といって、興奮を強めたりすることがあるので、特に小児では避けられることが多い薬剤です。自閉スペクトラム症に伴う不眠には、メラトニンの有効性を示す報告が多くあります。メラトニンは覚醒と睡眠を切り替えて眠りをうながすホルモンです。


日本では、メラトニン受容体に作用するラメルテオン(ロゼレム)が使用可能です。ベンゾジアゼピン系でない薬剤では、オレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサント(ベルソムラ)が使用可能ですが、小児における有効性と安全性のデータが報告されていません。

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/1179038C1
リスペリドン|PMDA

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/1179022C1
ピモジド|PMDA

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/1179045F4
アリピプラゾール|PMDA

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/1190016F1
ラメルテオン|PMDA

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/1190023F1
スボレキサント|PMDA


発達障害の子どもへの薬物療法を行う際に気を付けたいこと

お薬ってそもそも何?発達障害の薬物療法で気になる効果や目的、治療を行う上でのポイントを紹介します!の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10186003433

治療決定についての考え方は、昔と大きく変わってきました。

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