子育て情報『斜視とは?手術で治療できるの?原因や発達障害との関連も解説します』

斜視とは?手術で治療できるの?原因や発達障害との関連も解説します

2018年4月25日 14:00
 


斜視とは

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斜視とは物を見るときに両目の視線が合わないという病気です。片目は目標を見ていても、もう一つの目が別の方向を向いてしまいます。子どもの約2%に見られると言われています。

http://www.gankaikai.or.jp/health/betsu-003/06.html
子どもの弱視・斜視|公益社団法人日本眼科医会

生まれたばかりの赤ちゃんは目を動かす筋肉や視力が発達していません。2~3ヶ月ほどで、やっと物を見つめたり動くものを目で追ったりするようになります。両目で物を見る力(両眼視)は6歳ごろにほぼ完成し、物を見る力が成長するのは8歳ごろまでと言われています。

多くの場合、斜視は3~4歳ごろまでに見つかります。保護者が違和感を覚えることもあれば、3歳児健診で指摘されることもあります。

斜視は弱視の原因にもなります。斜視になっている方の目は物がぼやけて見えたり、二重に見えたりします。そうすると斜視になっている目を無意識に使わなくなり、弱視となってしまうことがあります。

斜視は目の位置によって4種類に分けられます。

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・外斜視:片目が「外側」を向く
・内斜視:片目が「内側」を向く
・上斜視:片目が「上」を向く
・下斜視:片目が「下」を向く

この中で最も多くみられるのは外斜視で、次は内斜視です。上下の斜視はこれらに比べると少なくなります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jorthoptic/45/0/45_045F204/_pdf/-char/ja
成人斜視手術例の種類と両眼視機能(2016年)

また、斜視の症状がどのように出現するかでも分けられます。

常に斜視状態のものは「恒常性斜視」と呼ばれます。眠いときや疲れた時など、ときどき斜視状態になるものは「間歇(かんけつ)性斜視」と呼ばれます。

斜視のように見えていても実は視線が揃っているということがあります。特に赤ちゃんは鼻の根元が低くて広いため、内側によっているように見えることが多々あります。このように、斜視ではないものの斜視のように見えるものを「偽斜視」と呼びます。

鼻の付け根(小鼻)をつまむと白目が見える場合は、偽斜視の可能性が考えられます。赤ちゃんであれば成長とともに顔だちも変わり、目立たなくなります。

本人が両目で同じものを見ているにもかかわらず、他人から見ると視線が合っていないように見えるという状態もあります。この場合も、見かけは斜視であっても実際には両目を使って物を見ているので偽斜視と言えます。


斜視の原因

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斜視の原因は大きく4つに分けられます。

・目の筋肉や神経の異常
・遠視
ほとんどは目の筋肉や神経の異常、または遠視です。遠視の場合、強くピントを合わせようとするときに目が内側に寄ります。遠視が強いと、遠くを見ているときもピント調節をすることで内斜視となってしまいます。

・片目の視力低下
病気やケガで片側の目だけ視力が落ちてしまうと、その目が斜視となるケースもあります。多くの場合、外斜視となります。

・両眼視の異常(脳の病気も)
両眼視とは、対象を両目で見ることです。脳の一部のわずかな異常などから、両眼視ができなくなると、両方の目がばらばらの動きをすることがあります。

斜視は遺伝と環境、どちらの影響も受けます。必ず遺伝するものではなく、遺伝する確率もそれほど高くないと言われています。


斜視は放置せず早期に受診することが重要

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斜視を放置すると物が二重に見えるなどの症状があり、それを調節するために片目だけで見るようになります。そうなると遠近感や立体感がうまくつかめなくなってしまいます。

また、使わなくなった片目の視力が低下し、弱視となってしまうこともあります。弱視は視力が発達するピークである8歳より前に治療することが重要です。子どもの場合は特に、早期の治療が肝心だと言えます。


斜視の検査方法

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斜視が気になって病院へ行く場合、以下のような検査が行われます。状況によってはほかの病気が隠れていないか、眼球を含めた全身の検査をすることもあります。

C字の並んだもの(ランドルト環)やイラストなどを使って視力を測ります。子どもの年齢や様子によって、より正確に測れるものを使います。複数を組み合わせることもあります。

遠視や近視、乱視の程度を測ります。目に光を当てて反射を図る方法などがあります。正確に測るため、調節麻痺薬(アトロピン)を点眼することもあります。

眼位とは、遠くのものを両目で見たときの目の位置のことです。両目をペンライトで照らしたり、片目を隠したりすることもあります。目が正しい位置にあるかどうか、なければどの程度ズレているのかを測ります。

上下左右に正しく眼球が動くかどうかを調べます。近くのものを見るときに、しっかりと目が寄るかどうかも検査します。


【斜視の治療法1】矯正する

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斜視の治療法の一つは矯正で、目の位置を戻すだけでなく両目で物を見る機能を身につけるという目的があります。眼鏡やコンタクトによる治療だけでなく、訓練や注射といった治療も行われます。

定期的な通院と自宅での訓練が必要なため、子どもの斜視矯正には家族の協力が欠かせません。

遠視や屈折異常が原因の場合は、眼鏡やコンタクトレンズを使っての治療が有効です。

遠視は凸レンズで矯正します。屈折異常ならプリズムを入れた眼鏡をかけ、視線を正常な方向へ向かわせることもあります。

左右の視力の差が大きい状態を不同視と言います。この不同視の程度が高い場合は、眼鏡ではなくコンタクトレンズの装着も選択肢に入ります。矯正に使う眼鏡は、普通の視力検査や屈折検査では作れません。眼科でしっかりと検査をしたうえで作ることが重要です。

左右の視力の差が大きい不同視の場合、アイパッチや眼帯を使った遮蔽法(しゃへいほう)と呼ばれるトレーニングをすることがあります。斜視でない目をアイパッチなどで覆い、斜視のある目を使います。斜視の治療法ではありますが、直接斜視を治すわけではなく、弱視を改善して視力を向上させることが目的です。

遮蔽時間が長すぎると斜視でないほうの目の力が低下してしまうこともあります。自己判断で始めるのではなく、必ず医師の指示を仰ぎましょう。

大型弱視鏡はシノプトフォアとも呼ばれ、目の検査のほか、視能矯正訓練もできる器械です。左右それぞれで見たものを脳で一つにする訓練をします。

カイロスコープは鏡を使った装置です。左右の目に少し違った絵を見せて、脳で一つにするという訓練をします。

どちらも両目を使って物を見る両眼視機能を向上させるために行います。

眼球を引っ張りすぎている筋肉を麻痺させるという比較的新しい方法です。

目の周りの筋肉にボツリヌストキシンを注射し、筋肉の緊張を和らげます。治療時間も短く入院も不要ですが、効果は数ヶ月しか持ちません。効果が減少してきたら、再度注射をする必要があります。


【斜視の治療法2】手術

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斜視の治療には手術という方法もあります。手術は視力を上げるためではなく、眼球の位置を調整するために行うものです。斜視の種類や程度、年齢などから手術をするかどうかを判断します。

状態によっては手術の前後に、眼鏡や訓練などの矯正を行うこともあります。

眼球には外眼筋と呼ばれる6つの筋肉がついています。それぞれの筋肉を使って眼球を動かします。手術では、この筋肉を切除したり縫い付けたりします。ついている位置を後ろにずらしたり前に引っ張ったりして、眼球を正常な位置へ戻すのです。

1つの筋肉を手術するのにかかる時間は約30分です。手術を必要とする斜視は、片目だけで1~2つの筋肉を手術することが多いため、1時間程度で終わります。手術時は、一般に点眼や注射による局所麻酔を行います。麻酔も含めて短時間で終わるため、入院はせず当日に帰ることもできます。状態によっては入院を勧められることもあります。

ただし、小学生以下の子どもは全身麻酔で行うことが一般的です。全身麻酔では1~3泊ほどの入院が必要となります。手術前には必ず何度か診察をし、手術の必要性や内容を判断します。

斜視の手術は万能ではありません。時間の経過で手術前の状態に戻ってしまうことも少なからずあり、その場合は再手術も検討します。

戻ったとしても以前よりは良い状態であれば、再手術はせず矯正で改善を試みることもあります。

費用は状態や病院によって異なりますが、片目の手術なら検査や処置を含めて3万円くらいが目安です。

ただしこの金額は日帰り手術の場合の目安です。小学生以下で入院を伴う場合は別途費用がかかってくることが考えられます。

手術は年齢や状態によって日帰りも可能ですが、術後の生活にはある程度の制限がかかります。

洗顔や入浴など顔を水につけることは可能ですが、感染予防のためにも一週間程度は目やその周囲を洗えません。スポーツや屋外作業もしばらくは避け、目の保護に努めます。また、不特定多数の出入りがあるプールや温泉も1か月程度は控えます。

手術当日は痛みも多少感じることがあるため、場合によっては痛み止めを使います。翌日以降は目のゴロゴロ感や充血も感じることがあります。

手術のあとは翌日、1週間後に診察をすることが多いようです。経過や病院の判断によって、その後も1ヶ月から半年ほど定期的に通院し、経過を見ていきます。


発達障害と斜視は関係あるの?

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発達障害の特徴を示す子どもの中には、キャッチボールが苦手だったり集中力が続かなかったりという症状を持つ子もいます。このような症状には、斜視を含めた目の病気が隠れていることもあります。

斜視には遠近感や立体感をつかみづらいという症状があります。遠近感がうまくつかめないと、ボールはキャッチできません。物が二重に見えたり立体感がつかめなかったりすると、折り紙やお絵かきも疲れてしまいます。二重に見えることで、学習障害(LD)に見られる文の読み書きの苦手も起こります。

斜視を含めた目の病気には「見る力」を弱めてしまうものもあります。斜視であっても視力は良いというケースも珍しくありません。

もちろん、発達障害による症状と斜視を含めた目の病気による症状が混在していることもあります。発達障害のある子どもの困難に、目の病気が関わっている可能性があることも見過ごせません。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jorthoptic1977/35/0/35_0_99/_pdf/-char/ja
軽度発達障害児における眼疾患の検討(2006年)


まとめ

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斜視は「放っておいたら治った」という人もいますが、偽斜視を斜視と勘違いしていただけというケースもあります。本当の斜視は治療しなければ治りません。

子どもの斜視は、治療が早いほど改善が期待できます。斜視かもしれないと感じたらすぐに病院で検査を受け、治療を始めるのが大切です。

とはいえ、大人の斜視も手術で大きく改善されるケースはたくさんあります。状態を改善する方法はいろいろとあるので、手術を避けたい場合でもまずは検査を受け、医師に相談をしてみると良いでしょう。

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