子育て情報『小学校生活はお遊戯会。誰にも理解されず、浮きこぼれていた私――違和感だらけの子ども時代を振り返って【宇樹義子さん連載開始!】』

2020年3月22日 08:00

小学校生活はお遊戯会。誰にも理解されず、浮きこぼれていた私――違和感だらけの子ども時代を振り返って【宇樹義子さん連載開始!】

ともかく、「暗黙のルール」に気づけないのです。こうこうだからこうしてはいけないんだよ、ときちんと説明されれば理解できるのですが、説明されないかぎり理解できない。

たとえば、思ったことが事実なら全部言う、理詰めで他の子を論破してしまう。注目を浴びたい気持ちが先行してしまって、ほかの子に譲ることを思いつかない。ほかの子がいじめられていることに気づかない、など。

私は勉強しなくても(算数と体育以外は)いつもほぼ満点の好成績をおさめていました。発達障害の知識が普及していなかった当時ですから、周囲の大人が「こんなにできる子なのだから、社会的なルールだってよく理解できるはず→ 理解できているのにルールを破るような言動をするのだから、わざとだ」と、私に悪意があるように勘違いしてしまったのも無理はなかったのかもしれません。

ただ、こちらはいつも精一杯誠実にまじめに生きているつもりなのに、周囲からわがままだとか性格が悪いだとか努力が足りないだとか言われつづけるので、そうとうに傷つきました。
相手が子どもでも大人でも同じように接し、おかしいことにはおかしいと主張する私に、暴力や暴言といった虐待を行う担任教師もいたのです。

また、口は達者ですが、動作はのろく、教室移動時などビリっけつ。体育のときはどこか変な動きをするらしく、よく周囲に真似されていじめられていました。算数にだけものすごい苦手意識を覚えていて、「国語で学年1位、算数で学年ビリ、平均がちょうどまんなか」という伝説を作ったこともあります。


当時の小学校教育との相性の悪さ

当時の小学校教育と私はとても相性が悪かったように思います。環境のしくみ自体が、私を不自由にし、苦しめるものでした。

全教科を担任が教える学級担任制は、私には合いませんでした。たとえば、算数に強烈な苦手意識を持ったのはもしかすると、丸呑みさせられるような形で算数を教えられたからかもしれません。


というのは、私はずっと算数や数学の成績がさんざんだったので、「私は計算が異常なほどできない」と思っていたのですが、30歳を過ぎて受けた知能検査の結果について、心理士さんから「数の処理の能力は普通程度。算数障害ということはないと思う」と指摘されたからです。

思い出してみれば、小学校で算数を教えられたときはたとえば以下のような感じでした。

「分数の割り算ではひっくり返してかけるのはなぜか、どういうしくみなのか」

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