子育て情報『夏休み明けの子どもを守る!不登校新聞編集長・石井志昂さんと考える自殺予防。家庭でできる「TALK」の原則なども』

2021年9月1日 06:15

夏休み明けの子どもを守る!不登校新聞編集長・石井志昂さんと考える自殺予防。家庭でできる「TALK」の原則なども

病気よりも事故よりも多いのです。どこの子どもでも起こりうることだから、自殺予防を家庭の中で取り組むことが特別なことではないと思ってほしいです。

――家庭でできる自殺予防、それが「TALK」の原則ですね。

石井:はい。精神医療の現場では広く知られている原則です。とるべき行動の4つの頭文字をとっています。

( 文部科学省『教師が知っておきたい「子どもの自殺予防」』より抜粋)
Tell言葉に出して心配していることを伝える
Ask「死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる
Listen絶望的な気持ちを傾聴する
Keep safe安全を確保する

いじめがあると思ったら、安全の確保を最優先して、学校に行かせないでほしいと思います。この子のことは目を離せないと思ったら、目を離さない体制をつくる。
仕事で忙しいかもしれないけれど、子どもの安全を優先して確保してほしいということです。

――「Ask」に関してですが、死にたいとまで思い詰めている子どもには、聞くことがかえってトリガーになってしまうのではないかという心配もあるのですが…。

石井:気持ちはわかります。でも、真摯な態度で聞けば、これは有効だと言われています。「死にたい」と言った人に、本人の気持ちを楽にさせようとして「死にたいなんて大げさに考えないで」と言ってしまうと、死にたいくらい苦しい人は、気持ちを軽く扱われたと思ってしまいます。「死ぬなんて考えるな」と言われると、「死なないでほしい」という思いは届かず、「死にたいほどつらい気持ちを否定された」と受け取ってしまうのです。

――死を肯定しているのではなく、「死にたいくらいつらい」という部分に共感するのですね。

石井:そうです。
そのくらい、「つらい思いをしていたんだ」というところを汲んでほしいんです。

――大人はつい、子どもに対して正しいことを言わなくちゃと思ってしまいがちなんですが。石井:もし、「死んで楽になりたい」といわれれば「死んでも楽にはならないよ」と言いたくなってしまうかもしれないですね。でもそれは逆効果。まずは「死にたいほどつらい」と言う気持ちに共感してほしいです。

自殺をストップするための「TALKの原則」は、医療現場で言われている大原則。一般の人に浸透するには時間がかかるかもしれないけれど、社会通念を変えるためにも、拡げていきたいと思います。


自殺予防のために、家庭の中で実際にできる具体的な行動は?

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――今、子どもの自殺は病気や事故による死よりも多いという現状はわかりました。

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