子育て情報『モロー反射とは?新生児から生後何ヶ月くらいまで見られる?激しいときの対処法やてんかんとの違い、脳性麻痺や発達障害との関係についても解説【小児科医監修】』

2022年8月30日 14:15

モロー反射とは?新生児から生後何ヶ月くらいまで見られる?激しいときの対処法やてんかんとの違い、脳性麻痺や発達障害との関係についても解説【小児科医監修】


モロー反射と点頭てんかん(West症候群)の違いとは?

一見可愛らしい動きに見えるモロー反射。しかしモロー反射の中でも赤ちゃんの動き方や程度、消失時期によっては何かしらの疾患のサインになることがあります。ここではモロー反射の動きととてもよく似ている点頭てんかん(West症候群)についてご紹介します。

モロー反射と一番区別をすることが困難な疾患として、「点頭てんかん」があります。

点頭てんかんとは、乳児期に起こる発達に影響を及ぼす可能性のあるてんかん症候群です。生後3~11ヶ月時に発症することが多く、その背景には重篤な脳障害があります。乳児期難治てんかんの中では最も多く発症するてんかんです。

点頭てんかんの約80%は、生まれる前あるいは出生直後に起こった脳障害の合併症として起こり、症候性West症候群と呼ばれます。
一方残りの約20%は、発症までの発達も正常で、かつさまざまな検査でも異常なしであるため潜因性West症候群と呼ばれます。

点頭てんかん自体は遺伝性の疾患ではありません。しかし、遺伝性の脳障害の合併症として点頭てんかんが発症した場合は遺伝する可能性があります。

点頭てんかんの具体的な症状として、生後3~11ヶ月時に以下のような発作、様子が表れます。
・眠いときや目覚めの前後で、突然頭部が前にガクッと動く
・手足を一瞬縮めたり伸ばしたりする
・このような動きが5秒~40秒毎に繰り返し続き、またこの一連の発作が一日に何回も見られる
・運動や認知の発達が停滞・後退する
(発作が出現前後より患児は笑わなくなったり、不機嫌になったりする。また今までできていた首のすわりやお座りができなくなる)
診断には、症状の詳細な問診、症状の動画の確認、脳波、血液検査、頭部画像検査などを行います。

モロー反射の動きと、点頭てんかんで見られる動き(発作)はよく似ています。それゆえ、保護者にとって子どもの動きがモロー反射なのか、点頭てんかんなのか判断することはとても難しいことが多いです。
違いを見分けるには、赤ちゃんがどのようなタイミングやきっかけでその動きをしているのかを見ることがポイントとなります。

モロー反射は赤ちゃんに大きな刺激を与えられたときに表れる反射的な運動です。一方で、点頭てんかんの場合は刺激の有無にかかわらずそういった動きが見られることがあります。また、点頭てんかんでは、一定時間ごとに発作的な動きとして表れるほか、一日に何回も見られることもあります。

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