子育て情報『エリクソンの「発達段階」を知ろう。年齢別「発達課題」はクリアできてる?』

エリクソンの「発達段階」を知ろう。年齢別「発達課題」はクリアできてる?

その成果が、1950年に出版された『Childhood and Society』(『幼年期と社會』全3巻、日本教文社、1954~1956年/『幼児期と社会』全2巻、みすず書房、1977~1980年)に反映されているといえるでしょう。この本は発達心理学の古典的名著として知られています。

また、現代で「アイデンティティー」「モラトリアム」という心理学用語が一般的に使われるようになったのも、エリクソンの影響といえるでしょう。

エリクソンの「発達段階」を知ろう。年齢別「発達課題」はクリアできてる?


エリクソンの「心理社会的発達理論」とは

エリクソンが提唱した論は、「心理社会的発達理論(psychosocial development)」と呼ばれています。人間の心理は、周囲の人々との相互作用を通して成長していくという考えです。その特徴は以下のとおり。


-人間の発達段階を8つに分けている。
-各発達段階に「心理社会的危機(psychosocial crisis)」がある。

-人間は心理社会的危機を乗り越えることで、「力(virtue)」を獲得する。

「発達課題(development task)」と呼ばれることもある心理社会的危機は、「〇〇対△△」というかたちで表されます。たとえば、18~40歳にあたる「初期成人期(young adult)」の心理社会的危機は「親密対孤立(intimacy vs. isolation)」。この時期、多くの人は、家族以外の他者との長期的で親密な関係を形成しようとします。うまくいけば、「力」として「愛情(love)」を獲得できるでしょう。

愛は人生を豊かにします。結婚生活にもかかせないものです。しかし、他者との関りを避けたりコミュニーションを適切にとれなかったりすれば、この発達段階における心理社会的危機を乗り越えられず、孤独に陥る、ということになります。
では、心理社会的発達理論における8つの段階を順に見ていきましょう。

エリクソンの「発達段階」を知ろう。年齢別「発達課題」はクリアできてる?


エリクソンの発達段階1:乳児期

「乳児期(infancy)」という発達段階は、およそ0歳~1歳半にあたります。この時期に直面する心理社会的危機は「信頼感対不信感(trust vs. mistrust)」。

人間の赤ちゃんは無力で、一人では生きていくことができません。そこで、泣くことで助けを求め、母親をはじめとする周囲の人から世話されることで育ちます。このとき、周囲の人から適切なケアを受けられれば、赤ちゃんのなかで世界に対する信頼感が構築されます。

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