エリクソンの「発達段階」を知ろう。年齢別「発達課題」はクリアできてる?
「みんなは自分を助けてくれる」という気持ちです。うまくいけば、「期待(hope)」という力を得ることができます。
しかし、泣いても誰かが来てくれるわけでもなく、世話してもらえないとしたら?赤ちゃんは世界に対する不信感を抱き、「誰も自分を助けてくれない」と思うようになります。そのため、赤ちゃんに対し適切なケアが行われないと、その子の人生観に大きな悪影響を与えてしまうと考えられています。
エリクソンの発達段階2:幼児前期
「幼児前期(early childhood)」は、およそ1歳半~3歳にあたります。直面する心理社会的危機は「自主性対羞恥心(autonomy vs. shame)」。
この時期の子どもは、歩いたりしゃべったりするようになります。とても活発な子もいて、親の手を振りほどいて走り出したり、何に対しても「イヤ」と言ったり……などは、よく聞かれる話ですね。
子どもは積極的な挑戦や親のしつけを通し、排せつや着替えなど、赤ちゃんの頃は周りの人にやってもらっていたことを、一人でできるようになっていきます。親が子どもに、自分でやってみる機会を与え、適切なタイミングで手伝ってあげれば、子どもは自信をつけて、さらにいろいろやってみようという気持ちになれるでしょう。その結果、「意欲(will)」という力を獲得します。
しかし、親が子どもに先回りして何でもしてあげたり、挑戦して失敗した子どもを過度に叱ったりすればどうでしょう?子どもの自主性は育たず、むしろ羞恥心を覚えてしまい、新しい物事に挑戦しようという意欲は生まれづらくなります。
エリクソンの発達段階3:遊戯期
3~5歳頃は「遊戯期(play age)」。「自発性対罪悪感(initiative vs. guilt)」が心理社会的危機です。
保育園や幼稚園で、友だちと活発に遊ぶ時期ですね。世界に対して強い興味を持ち、「どうして○○なの?」という質問を連発したり、ごっこ遊びをしたりします。
とにかくエネルギーがあり余っている状態といえるでしょう。このような子どもらしい様子に対し、親がうっとうしがる態度を見せたり、過度に厳しいしつけを施したりすると、子どもは罪悪感を覚えてしまいます。
もちろん、公共の場所での適切なふるまいを教えるなど、適度なしつけは大切です。自発性と罪悪感のバランスがうまくとれれば、子どもは心理社会的危機を克服し、「目的意識(purpose)」