学校給食は学びの宝庫! 食を通して身につける「自ら考え、判断する力」とは
具合が悪くて保健室に来室する子どもたちに、「朝ごはん食べた?」と聞くと「はい」と言うのですが、「何を食べたの?」と聞くと、ヨーグルトとかクッキーと水、あるいはお菓子と答えるような子どもたちがいたのです。
子どもには「しっかり朝ごはん」が必要ですから、主食(ご飯かパン)と、主菜(卵焼きやハム)、副菜(みそ汁やサラダ)などが揃った朝ごはんが理想です。特に主食・主菜は必須ですよ。
中には、「準備しても食欲がなくて食べてくれない」という親御さんの声を聞くこともありますが、それにはいくつかの原因が考えられます。例えば、前日の夕食の時間や睡眠時間に問題があるのかもしれません。また、「子どもだけで食べなさい」という状態だと、子どもはなかなか食べないことが多いもの。たとえお味噌汁1杯やコーヒーだけでも、親も子どもと一緒に食卓に座り「頂きます!」をいって食べると、子どもの食欲も出てきますよ。また、起きた直後で体が目覚めていない状態では、食べられないのも当然のこと。
朝は子どもにも朝食の準備を手伝わせるなど、起床後に体を動かす時間と機会が作れたら最高ですね。
朝ごはんを食べているかどうかで、子どもの集中力や意欲、そして学力にまで、大きな差が出ます。ご家庭の朝ごはんの習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
子どもが「学校給食」から学ぶもの
最近の学校給食は、単に栄養を補給するだけでなく、食を通して多様な学びができるような工夫がたくさんされています。「食育」が学校教育の中で重視され、栄養教諭の配置も進んで、子どもに「食に関する力を育てていく」取り組みが広がっています。
例えば、「今日の食材は、地元農家の○○さんが育てた大根を使っています」のような地産・地消を推進したり、地域の伝統的な食事を取り入れたりしている学校は珍しくありません。また、バイキング給食やお誕生日給食などによって子どもたちの食への関心を高め、「内容や食べられる量を自分で考え、選んで食べる力」を育てる工夫もされているのですよ。一方で、子どもたちの「偏食」や「食物アレルギー」の問題は、まだまだ対策が必要です。
子どもの偏食にも様々なものがあります。「食べたことがないから食べない」というのは分かりやすい偏食の例ですね。他には、ご飯の中に異物が入っていたことがあり、それ以後「白いご飯しか食べられなくなった」というような、心理的な理由による偏食も出てきました。