5人に1人が「HSC」。繊細で共感性の高い「ひといちばい敏感な子ども」の特徴とは?
HSCにとって刺激の強いイベントや遠出ですが、習慣にすることで刺激を抑えることができ、休日を楽しめるようになります。また、年末年始やお盆などにありがちな「突然の来客」や「多すぎるお客さん」は、HSCの負担になることが多いようです。挨拶ができればそれだけでOK。無理に大人の会話に引き込んだり、愛想よく話すことを求めたりしないように気をつけてください。
子供が熱中できる習い事を探す
長沼先生は、子供が「やりたい」と言った習い事はできるだけ挑戦させるべきだと話します。著書『子どもの敏感さに困ったら読む本』によると、音に敏感なHSCの子供がピアノレッスンを始めてみたら、どんどん上達したそう。また、運動系の習い事では、単純な動きを繰り返し練習することで「できた」という感覚を知り、自分の運動能力に自信をもてるようになります。HSCは熱中できるものを見つけると心が安定するので、必ず “子供が希望する習い事” をやらせてあげてください。
HSCの子供の敏感さは長所になる!
敏感すぎるという面だけ見ると、ネガティブなイメージが強いHSCの子供たちですが、最近の研究では、ポジティブな側面も多いことがわかっています。人間発達学が専門のジェイ・ベルスキー氏(カリフォルニア大学デービス校教授)は、HSCの敏感さについて、「良質の子育てを受けるなど、よい環境に置かれた場合には、ほかの子よりもプラスに作用します」と主張しています。
HSCは非HSCよりも感受性が強いため、同じような幸せな環境にいた場合、非HSCよりも幸せを感じることができるのです。また、物事を深く考えるので、勉強に集中できる環境であれば、成績もよいのだそう。ほかにも以下のようなポジティブな面がありますよ。
- 幸せを感じやすい
- 病気や怪我が少ない
- 成績がよい
- モラルのある行動ができる
- 他者への気づかいができる
では、「良質な子育て」とはどのような子育てなのでしょう。アーロン博士は、HSCが幸せな人生を送るためには、自己肯定感を育むことが大切だと言っています。HSCの子供は、「叱られたときに自分はダメな人間だと感じる」「間違いをひどく後悔して自分を戒める」「友だちに言われたことを深く考える」といったことが多いでしょう。
ですから、自己肯定感という心の土台がないと、悪いことがあったときに、その影響をまともに受けて傷ついてしまうのです。
自己肯定感とは、「自分は自分であっていい」