幼稚園から始まる「いじめ」。ピークは小2! その原因は「過度な欲求不満」でした
「〇〇ちゃんが仲間に入れてくれないの」「〇〇君が急に叩いてきた」などと、お子さまから言われたことはありませんか?それまで楽しそうに園や学校に通っていたのに、なぜ急に……と心配になってしまいますよね。
もしかしたら、子どもたちどうしは翌日には仲直りをしているかもしれません。しかし、「これって、いじめ?」と感じたことのある親御さんも少なくないのではないでしょうか。
今回のテーマは「いじめ問題」です。何歳からいじめが起こるのか、なぜ子どもは誰かをいじめてしまうのか、などを考えてみました。
増え続ける「いじめ」と「ネットいじめ」
文部科学省が毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、いじめの認知件数は2014年度から増え続け、2019年度には612,496件と過去最多となりました。
しかし、このいじめ認知件数の増加について、単純にいじめが増えただけではないと見ている専門家もいるようです。
『こども六法』著者でいじめ問題に詳しい、教育研究者の山崎聡一郎氏は、いじめ認知件数の増加を以下のように分析しています。
「かつては、いじめの定義が狭かったほか、明らかにいじめと見なされる行為があっても学校は報告しないということがたくさんありました。この反省から、今は被害を受けた子が嫌だと感じたらいじめと見なす、という広い定義になっています。そういう定義で文科省が調査し、報告しなさいと言うので学校側も軽微ないじめを積極的に報告するようになり(軽いいじめも見逃さないようにしているから)、認知件数が増えているのです」
(引用元:東洋経済オンライン|いじめに気づく大人、気づかない大人の決定的差)※太字は編集部で施した
とはいえ、いじめが増加していることは事実です。2020年度はコロナ禍の影響で子どもどうしの接触が減ったため、いじめ認知件数は減少していますが、「パソコンや携帯電話等で誹謗・中傷や嫌なことをされる」などのインターネットを介したトラブル件数はむしろ増えているのです。
「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を見てみると、「ネットいじめ」は18,870件と過去最多を更新しています。2020年11月には東京都町田市の小学6年生がネットいじめを苦に自殺――このニュースは各メディアで大きく取り上げられました。