増えている子どもの「脳疲労」。1時間以上〇〇している子は要注意!
すると、セロトニンが分泌されにくくなるため、欲望や感情を抑える働きをする前頭前野がうまく働かなくなってしまい、キレやすくなるのだそう。
不調3:休んでも疲れが抜けない
「脳疲労への対処が遅れた場合、脳のダメージにつながる恐れがある」と言うのは渡辺氏です。脳が疲労している状態が続くと、脳がダメージを受け、休んでも疲れが抜けない「慢性的な疲労」となってしまうこともあるのだとか。
そして脳科学者の水野敬氏も、子どもの脳疲労は早めに回復させるべきと主張するひとり。なんと、脳疲労を放置してしまうと、全身の疲労が続く「小児慢性疲労症候群(*)」を引き起こす可能性もあるとのこと。
渡辺氏によると、脳疲労を感じている子どもは「自発的に言葉を発しなくなる」「笑顔がなくなる」などのシグナルを必ず発するのだそう。子どもの脳疲労の症状が悪化する前に正しく対処するのはもちろん重要ですが、日頃から脳疲労の予防にも気を配りたいですね。次項ではその方法について見ていきましょう。
*・・・小児慢性疲労症候群(CCFS)は3か月以上の持続する疲労・倦怠感および睡眠・覚醒リズム障害などの症状が現れる病気であり、不登校児童・生徒に多く発症が見られる。
子どもの脳疲労を回避する3つの方法
脳を疲れにくくさせ、 “スッキリ脳” を手に入れるための、すぐに実践できる方法を3つご紹介します。
脳を疲れにくくする方法1:正しい睡眠習慣をつける
発達脳科学者で睡眠の専門家でもある成田奈緒子氏によると、子どもの理想的な睡眠時間は、5歳児で11時間、小学生で10時間。これは脳をしっかり休ませ、発達させるために必要な時間です。前述したように、睡眠には脳を休ませるだけでなく、情報を整理する役割があります。ですから、しっかりと寝ている子どもの脳は、学習した内容が整理され、学習記憶が定着するのです。
また、子どもの睡眠障害に詳しい小児神経科専門医の三池輝久氏は、「夜ふかし習慣が、小児慢性疲労症候群の引き金になる」と断言しています。睡眠不足は脳疲労を引き起こしやすいーーだからこそ、子どもが小さいうちに「正しい睡眠習慣」をつけることが大切としています。
脳を疲れにくくする方法2:ゲームは20分に1回休憩を入れる
渡辺氏が指摘する「目の使いすぎ」による脳疲労も、日常の習慣を変えることで予防できるはず。人は、情報収集の9割を視覚に依存しているそう。