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おいしい国際理解:子どもと作る3か国簡単レシピと食文化ガイド

おいしい国際理解:子どもと作る3か国簡単レシピと食文化ガイド

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カレーのスパイシーな香り、パスタのもちもちとした食感、寿司の彩り豊かな姿。それぞれの料理には、その土地の歴史や文化が凝縮されています。家族で異国の料理を作ったり食べたりすることは、子どもたちの好奇心を刺激し、世界の多様性を楽しく学ぶチャンスとなるでしょう。

この記事では、異文化体験の意義、各国の食文化、家庭料理のレシピを紹介します。おいしく食べて、子どもたちの心を育む、そんな世界の食卓を見ていきましょう。

異文化理解の入り口は「世界の食事」にあり


グローバル化が進む現代社会において、異文化理解は子どもたちにとって不可欠なスキル。そしてその異文化理解の入り口として理想的な手段のひとつは、世界の食文化を学ぶことです。

文部科学省の資料によると、国際理解を目的とした教育プログラムにおいて、「諸外国の生活や文化」などを体験したり調査したりする探究的な活動が推奨されています。
その活動のなかで重要とされているのが、「諸外国の料理を作って食べる体験を通して,食材の違いや気候・風土との関係について考えたり,食べ方の習慣とその歴史や文化について調べたり,我が国の習慣や文化と比べたり」することです。(カギカッコ内引用元:文部科学省|総合的な学習の時間編)

国際感覚豊かな食の体験を通じて、子どもたちは日本以外の文化を受け入れ、楽しみながら異文化への理解を深められるのです。この経験は、将来さまざまな背景をもつ人々とコミュニケーションをとる際の大きな強みとなるだけでなく、グローバル社会で活躍するために必要な適応力と柔軟性を養うことにもつながるでしょう。

次の章では、各国の食文化にはどんな魅力が詰まっているのかを探っていきます。

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世界の食文化を知る。ユネスコの「無形文化遺産」とは?


世界にはおいしい料理があふれています。ここでは、5つの国をピックアップしてご紹介します。ユネスコの「無形文化遺産」のエピソードについて、ぜひお子さんと話し合ってみてください。

【フランスの食文化】
「フランスの美食術」は2010年、ユネスコの「無形文化遺産」に登録されました。
フランスの食文化のなかで、「地元の新鮮な食材の使用」「味の絶妙な組み合わせ」「ワインとの相性」「テーブルの美しい飾り付け」など、多くの要素が評価されたのです。フランスでは「食事の時間」を大切にする習慣が、世代を超えて受け継がれています。フランス政府も、学校での食育や伝統料理の記録など、フランスの「食文化」を守るため、さまざまな取り組みを行なっているようです。この登録をきっかけに、世界各国の食文化が「無形文化遺産」として登録され始めました。2013年には日本の「和食」も選ばれています。

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【イタリアの食文化】
イタリアは自然豊かな国で、地域ごとに違う料理がたくさんあります。イタリア人に「おいしい料理」を聞くと、多くの人が「マンマの料理」と答えるそう。日本では「おふくろの味」ですね。
その土地の新鮮な食材を使って、愛情たっぷりにつくられた「マンマの料理」が受け継がれて、郷土料理の基本となり、その集合体がイタリア料理となったのです。オリーブオイルやワイン、300種類以上もあるパスタなどが有名なイタリア料理は、フランス料理がルーツという説も。現在ユネスコの「無形文化遺産」に登録申請中のイタリア料理は、「世界の大切な文化」として認められようとしています。

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【スウェーデンの食文化】
北極圏から温暖な平野まで広がるスウェーデンの食文化は、自然の恵みを存分に活かしています。夏から秋には「きのこ狩り」や「ベリー摘み」を楽しみ、家庭菜園で野菜を育てる人も少なくありません。また、厳しい冬を乗り越えるための保存食技術も発達し、「酢漬けニシン」や「グラヴラックス(塩漬けサーモン)」が有名。コーヒー文化も盛んで、「フィーカ」というコーヒーブレイクの習慣があります。さらに、近代的でありながら食の伝統を大切にした「シナモンパンの日」や「ザリガニパーティー」などユニークなイベントも存在します。


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【メキシコの食文化】
「メキシコの伝統料理」は、古代文明と欧州の影響が融合した豊かな歴史をもち、2010年にユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。メキシコ料理の基本は「とうもろこし」「チレ(とうがらし)」「フリホール(いんげん豆)」です。とうもろこしからつくる「トルティージャ」は主食で、これを使った「タコス」は国民食です。「チレ」は単なる辛味だけでなく、深い味わいを作る重要な調味料。「フリホール」は主要なたんぱく源として日常的に食されています。

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【インドの食文化】
インドの食文化は、その広大な国土と多様性を反映しています。宗教の影響でベジタリアンが多く、豆や乳製品が重要なたんぱく源です。「北インド」と「南インド」では料理の特徴が異なり、それぞれ「チャパティ」や「ドーサ」などの特色ある主食があります。
定食文化も存在し、「ターリー」や「ミールス」として知られています。スパイスのブレンド「マサラ」は各家庭の伝統として受け継がれているようです。この豊かな食文化は、子どもたちに「多様性」「伝統」の大切さを教える素晴らしい教材と言えるでしょう。

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どの国の食文化も、風土、歴史、宗教などと密接に関わっていることがわかりますよね。大人も子どもも、食から得られる学びは多いはず。

ちなみに、ユネスコの「無形文化遺産保護条約」では、「料理」自体は無形文化遺産として認められていません。そのため、無形文化遺産に登録されているのは、食に関連する文化的要素や「社会的慣習」です。これらは料理を取り巻く伝統や習慣、そして食文化の社会的側面を包含しています。
(カギカッコ内引用元:レファレンス協同データベース|レファレンス事例詳細)

異国の味を家庭で堪能!国際料理レシピ3つ


世界の料理はどれも魅力的なのに、家庭でつくるのは難しいと思っていませんか?簡単レシピを3つご紹介しますので、ぜひご家庭で親子一緒にクッキングを楽しんで、その国について話し合ってみてください。

【フランスレシピ】卵のココット
ココット(厚手両手鍋)で作る基本の卵料理。材料やレシピ自体がシンプルなので、アレンジも多様に楽しめます。

■材料(6人分)
  • 新鮮な卵(大玉)6個
  • 濃厚な生クリーム大さじ6
  • やわらかくしたバター5g
  • 塩、挽きたてコショウ
■作り方
  • オーブンを160度に予熱します。ココットの内側にバターを塗り、塩、コショウを振ります。各容器に生クリーム大さじ1を入れます。
  • 卵を1つずつココットに割り入れ、オーブン用の大皿に並べます。大皿の半分程度の高さまで水を入れ、オーブンで約8分焼きます。
    出来立ての熱々をどうぞ。

  • (材料・レシピ引用元:在日フランス大使館|卵のココット)

    おすすめの付け合わせは、トーストしたバゲットなどのパン。野菜やきのこなどを加えるとまた違った味が楽しめます。材料は卵を割り入れる前にココットに入れましょう。大人は、アレンジ具材に合わせたワインと一緒にどうぞ!

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    【スウェーデンレシピ】ラッグムンク
    スウェーデンのポテトパンケーキは簡単につくれる家庭料理のひとつ。ベーコンやリンゴンベリージャムを添えるのが定番です。

    ■材料(4人分)
    • じゃがいも800g
    • 卵1個
    • 小麦粉150ml
    • ミルク300ml
    • 塩小さじ2
    • バター50g
    ■作り方
  • 卵、小麦粉、ミルクでパンケーキの生地を作ります。
  • じゃがいもの皮をむき、すりおろし、塩を加えます。
  • フライパンにバターを溶かし、生地を入れて中火で焼きます。焼きたてをお召しあがりください!

  • (材料・レシピ引用元:在日本スウェーデン大使館公式インスタグラム SWEDENINTOKYO|2021年10月29日投稿)

    じゃがいもは「チーズおろし」や「千切りカッター」などですりましょう。すったじゃがいもを生地と混ぜて焼くだけで、香ばしいパンケーキのできあがり。簡単なので、お子さんとの共同作業にぴったりです。

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    【メキシコレシピ】きのこのケサディージャ
    ケサディージャはトルティージャにチーズを挟んで焼いた料理。タコスと並んで人気のメキシコのファストフードです。

    ■材料(12個分)
      • トウモロコシのトルティージャ12枚

    【具(詰めもの)】

    • チーズ160g(とろけるチーズなら何でも。ピザ用、モッツァレラ、ゴーダチーズでも可)
    • きのこ180g(マッシュルーム、しめじ、しいたけ、まつたけ、など)
    • サラダ油大さじ2
    • 塩・こしょう適量
    ■作り方
  • 最初にトルティージャを作ります。(*)
  • ケサディージャの具を作る。きのこを刻む。フライパン
    を温め、サラダ油を注ぐ。フライパンできのこを炒め、塩
    こしょうで味をととのえる。味が物足りなければ、トマ
    ト、玉ねぎ、唐辛子を加えてもよい。
  • フライパンにトルティージャをのせ、その上に炒めたき
    のことチーズをのせる。
  • トルティージャを半月状に折りたたみ、チーズが溶けた
    ら出来上がり。
  • サルサやワカモレをつけて、お召し上がりください。

  • (材料・レシピ引用元:メキシコ大使館|メキシコのキッチンから和の食卓へ 在日メキシコ大使館 第三版.pdf)

    (*)トルティージャは、市販品を使うと簡単です。筆者の一押しは、KALDI COFFEE FARMの「【冷凍】ラ・コロナコーントルティア454g」。とうもろこしの風味が香ばしいコーンタイプのトルティージャです。

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    どれも各国の代表的な家庭料理です。料理を通して、楽しく学び、異国の味を堪能してください。

    各国の食文化を紹介しているサイト&書籍


    最後に、各国の食文化を紹介しているサイトや書籍を紹介します。お子さんはどの国に興味をもつでしょうか?特に、大使館系のイベントは好奇心旺盛なお子さんにこそチャレンジしてほしい異文化体験です。「食」だけでなく、その国の文化や言語を肌で感じられるので、かなりおすすめ!

    ■明治の食卓比べてみよう!世界の食と文化
    株式会社明治が運営するウェブサイトでは、世界24か国の歴史、文化、生活などが、食文化を中心にわかりやすくまとめられています。写真を交えながら紹介されており、読み応えは十分です。「食」といっても、料理だけでなく食材や食文化の背景まで詳しく書かれているため、子どもたちの理解を深める内容となっています。

    ■パーティアニマルズ 国際交流イベント情報館
    大使館や米軍基地等の情報を中心に、東京近郊の国際交流イベントを紹介するサイトです。各国大使館主催の異文化交流は、子どもの世界観を広げる絶好の機会です。家族で楽しめるバザーやお祭りを通じて、日本にいながら世界の文化や味を体感できます。食や遊びを通じた異文化体験は、子どもの心に残る思い出になるでしょう。楽しみながら国際感覚を育む、魅力的なイベントをぜひチェックしてみてください。

    ■『せかいのりょうり (小学館の図鑑NEO まどあけずかん 7)』(小学館)
    WALNUT(イラスト), 青木ゆり子(監修)
    幼児向け絵本です。100か所以上の仕掛け窓が仕込んであり、窓のなかから世界各国の200種類以上の食材や料理が登場します。目で楽しみながら、食文化を学べる図鑑です。
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    ■『世界の市場 : おいしい! たのしい! 24のまちでお買いもの』(河出書房新社)
    マリヤ・バーハレワ(著), アンナ・デスニツカヤ(イラスト), 岡根谷実里(翻訳)
    世界の「食」の風景が、市場を通して見えてくる本です。市場は食文化の原点。食材や代表的な料理、簡単レシピ、市場に行くときの持ち物まで、詳しく紹介されています。買い物に必要な通貨や言語表現も記載してあるので、旅に持参したくなるはず。市場の様子を活き活きと描いたイラストが子ども心をくすぐりますよ。
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    「おいしそう!」と子どもが興味をもった料理を、実際につくったり、レストランに行って食べたりして、すぐに実体験できるのが、「食」の魅力ですね。

    ***
    「食」は世界をつなぐ架け橋です。いろいろな国の料理を体験することで、子どもたちの異文化への好奇心と理解が自然と育まれます。家族で楽しむ食卓が、将来の相互理解の種まきとなるのです。小さな一皿から、大きな世界へ。グローバルな食育をさっそく始めてみませんか?

    (参考)
    文部科学省|総合的な学習の時間編
    レファレンス協同データベース|レファレンス事例詳細
    フランス観光開発機構公式サイト|フランス料理はユネスコの無形文化遺産
    スウェーデン観光文化センター 在日スウェーデン大使館公認観光情報サイト|スウェーデン料理―豊かな歴史、確かな未来
    Asahi Kasei|世界の料理 メキシコ
    Asahi Kasei|世界の料理 インド
    taiwa京都調理師専門学校|イタリア料理の歴史と味との深い関係
    メキシコ大使館|メキシコのキッチンから和の食卓へ 在日メキシコ大使館 第三版.pdf
    在日フランス大使館|卵のココット
    在日本スウェーデン大使館公式インスタグラム SWEDENINTOKYO|2021年10月29日投稿
    CORE|イタリアの食文化と食育に関する一考察
    株式会社明治|比べてみよう!世界の食と文化
    パーティアニマルズ 国際交流イベント情報館|国際交流 イベント情報

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    StudyHackerこどもまなび☆ラボ

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