子育て情報『希望を持てない子が急増? 家庭環境を超えた友達を作る場所が必要なワケ』

希望を持てない子が急増? 家庭環境を超えた友達を作る場所が必要なワケ

希望を持てない子が急増? 家庭環境を超えた友達を作る場所が必要なワケ

こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。

わが国の子どもたちは諸外国に比べると自己肯定感が低く、夢や希望といったものを持っていない傾向があるということは、内閣府をはじめとするさまざまな研究機関や団体による意識調査で明らかになっています。

その理由についても、生まれたときからすでにそこにある圧倒的な格差だということまでは、ほとんどの専門家のあいだで一致した見解です。

ところが、原因までだいたい分かっているというのに、子どもが希望を持てる世の中にするための解決策については、残念ながら行政レベルでは遅々として進んでいないというのが実態でしょう。

筆者はこの状況を改善するための一つの方法として、“家庭環境を超えた友と出会える場所”が自然に存在している状態を意識して作ること が必要なのではないかと思っています。

●「邪魔する奴は僕が許さない」~映画『スタンド・バイ・ミー』のゴーディとクリスの友情〜

スティーヴン・キング原作でロブ・ライナー監督の手による1986年公開のアメリカ映画『スタンド・バイ・ミー』を見た人は、40代以上のパパとママには多いことと思います。

1950年代末、オレゴン州の小さな町に暮らす4人の少年たちは、趣味も志向も家庭環境も違うけれど妙に馬が合い、喧嘩をしながらもいつも一緒に遊んでいました。


この少年たちが好奇心から“死体”探しの旅に出るひと夏の物語なのですが、主人公である文学少年・ゴーディはまずまずの恵まれた家庭の子ではあるものの、自慢の兄が事故死して両親から冷遇され、作家になりたいという将来の夢も失いかけています。

一方、ゴーディの親友・クリスは非常に賢明な少年であるにもかかわらず、父親がアル中、兄はふだつきの不良という家庭環境から周囲の信用を得ることができず、本来は進学コースに進むべき聡明さの持ち主なのに「うちの環境で進学コースになんか行けるわけがない」と諦めています。

旅のさなか、二人は「君には物語を書く才能がある。続けるべきだ」「君が進学コースに行けないなんてありえない。絶対に行けるから諦めないで勉強してくれ。邪魔する奴は僕が許さない」と語り合い、この友情が礎となってゴーディは作家に、クリスは弁護士に成長していくという映画でした。ゴーディとクリスは同じ町に住み同じ学校に通う仲間でしたが、この二人のように“家庭環境はずいぶん違うけれど感性の部分で共鳴できる友人”に出会えるチャンス が今の日本には少ないというのが、筆者の問題意識です。

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