2020年12月28日 20:02
イレギュラーなことが起きた時、何ができるか は「サッカー的思考」ワールドチャレンジ2日目
遠征の宿も、普段は3、4人のところを1人部屋にして、マスクや手洗い、うがいなどを欠かさず、対策をして臨んでいます。保護者からは『大会を開催してくれるだけありがたいです』という声もありました。真剣勝負の場を経験できて、選手たちが楽しそうにしているのを見ると、参加できて良かったなと思います」(西村監督)
チームは新型コロナウイルスの流行が始まった3月から、緊急事態宣言が開けた6月頭まで、活動を自粛しました。どのチームも自粛期間中の過ごし方を試行錯誤する中、西村監督は、こんな話を子どもたちにしたと言います。
「イレギュラーなことが起きたときに、何ができるか。それって、すごくサッカー的な考え方だよねと。自粛期間中に、何を伸ばせるか。選手として差がつくのは、そういう時間の過ごし方だからと。
できないものをできないと言っているだけではなく、これができるんじゃないか、あれができるんじゃないかと、みつけていこうと話しました」
選手たちには過去の試合映像を送り、「各自で見返して、良いところ、悪いところを探す時間にあててほしい。足りないものを見つめ直して、活動が再開したときに、ひとつでもいいのでできることを増やそう」と、メッセージを送ったそうです。
■サッカーができる喜びを爆発させる機会を持つことは大事
失敗してもいいから、全力でやってこい、という久保竜彦監督の言葉に勇気をもらった選手たちが躍動
ワールドチャレンジの主催者であり、実行委員長を務める浜田満さんは「僕らだけじゃなくて、サッカー界全体として解決方法を探すというか、工夫しながらやっていかなければいけないと思う」と、未来を見据えて話します。
「こういう状況でも、大人が工夫して場を作るのは大切だと思っています。制限されている中で工夫して、楽しいことを探すという。僕自身、コロナの前から、どうすればみんなにとって良いものが実現できるかを考えて動いていたので、考え方としては、今回の開催もその延長線上にあります」
とはいえ、開催までにはいくつものハードルがあったと言います。大会の目玉となる海外チームの招聘は断念せざるを得ず、開催時期を夏から年末にずらしました。日本の参加クラブの予選も中止と再開を経て、大会直前に出場を辞退するクラブ、選手も出ました。
「何かあるたびに変更して、やれる道を探しました。めちゃくちゃ手間はかかりましたし、つぎはぎだらけだけど、こうしてグラウンドに子どもたちが集まって、ボールを蹴って感情を発散させている姿を見ると、開催して良かったなと思います」