実力主義のチームで控えになってしまった息子。努力は報われないのか問題
息子にそう伝えました。
ひたむきに休まず練習に行って、専門的な練習をして頑張っても、実力主義のチームではベンチです。頑張っている息子は子どもたちの中では雑魚扱いです。指導者もそんな空気スルーです。
このわだかまりをどうしたらいいのか、努力は報われると息子に教えてあげたいのですが、何が正解かもわからなくなってきました。
母親としてどうすればいいのでしょうか。教えていただきたいです。
<島沢さんのアドバイス>
ご相談いただき、ありがとうございます。
見守る側も辛いですね。母さんの悲しみ、頑張りやの息子さんを思う気持ちはお察します。お気持ちはわかるのですが、今お母さんが私に訴えられている内容すべてに共感できないなあというのが正直なところです。
■息子さんがレギュラーの時も「出られない子」がいたはず、まずは親の心構えを変えよう
頑張っても実力主義のチームではベンチ。
競争に敗れた息子さんは雑魚扱い。
指導者もそんな空気。
そういった負の現実に心を痛め、「このわだかまりをどうしたらいいのか」と書かれています。
ここに少しばかり疑問がわいてきます。
お母さんは、チームがすべての子どもを平等に扱い、サッカーの楽しさを伝え、心身共に成長させる指導だと理解していたのでしょうか?もし、そうであれば、この扱いに動揺してしまうのはわかります。
しかしながら、3年生から主にキーパーとして4年生の終わり頃に隣町からエース級の子が入ってくるまではレギュラーだったわけですね。実力主義のチームなので、すでにその当時他に補欠の子どもや試合に出られない子がいたはずです。
できればお母さんの息子さんへのマインドセットを変えましょう。ここでいうマインドセットとは「サッカーをする息子に対しどう向き合っていくか」という心構えです。
そこで、ひとつアドバイスさせてください。
■自分の子を「弱い人」グループに入れたくない気持ちはわかるが......
「努力は報われる」と親が教える必要はないと私は考えます。お母さんは、もしかしたら、とても頑張り屋さんで、子どもの頃からやってきたことやトライしてきたことで成功を収めてこられたのではないでしょうか。
そんな成功者がもちやすいものに「生存者バイアス」という概念があります。例えば、交通事故の生存者の話を聞くと、私たちは「あの事故はそれほど危険ではなかった」と判断してしまいがちです。