2022年9月2日 16:15
堂安律を輩出した関西の育成クラブ・西宮サッカースクールが「低学年のうちはパスを使わない試合もさせる」ワケ
関西有数の育成クラブとして知られ、堂安律選手を始めとするプロ選手を輩出する西宮サッカースクール。
U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022では、決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)でPK戦の末に敗退しましたが、随所に高い技術が光る好チームでした。
U-12の監督を務める上野洋輔さん(以下、上野)と選手たちに、試合の感想と選手育成について話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)
随所に高い技術力を見せつけた西宮サッカースクールだったが、惜しくもPK戦で敗れた(C)新井賢一
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■ワーチャレは中学生年代に繋げる良い大会
――ラウンド16はPKで敗退となりました。試合の感想をお願いします。
上野前半はリードして折り返したのですが、もう1点取るチャンスがあった中で決めきれなかったのが残念です。ただ、初戦は負けから入って、引き分け、勝ちといい流れを作ることはできたかなと思います。
子どもたちも初めての11人制でしたが、一戦一戦自信を持ってやってくれました。
中学生年代に繋げる意味でも、いい大会だったと思います。
■ピッチを大きく使うとゴールまでの距離が遠くなるので、「逆の発想」で戦った
――ボールを保持して攻める場面も多かったですが、チームとしての狙いはどのようなことだったのでしょうか?
上野11人制のフルコートとなると、ピッチがかなり広いです。最初はピッチを大きく使ってプレーしようとしていたのですが、この年代のフィジカル、走力は大人とは違うので、ピッチを広く使うとゴールまでの距離が遠くなってしまいます。そこは試合をするごとに修正しながら、「逆に距離を狭くしてやろう」と言いました。
選手同士の距離を近くして、狭いスペースの中でプレーすることで、日頃トレーニングしている足元の技術や、自分たちの良さが活きてくるのではないかと考えました。距離を近くすることで点も入るようになりましたし、選手の特徴も発揮しやすくなったのではないかと思います。
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■年代に応じた指導、低学年のうちはパスを使わない試合もする狙い
――西宮SSは技術を重視する指導で有名ですが、どのような考えで育成しているのでしょうか?
上野外国人と試合するとなると、日本人はフィジカルで勝つことはできません。