2022年9月2日 16:15
堂安律を輩出した関西の育成クラブ・西宮サッカースクールが「低学年のうちはパスを使わない試合もさせる」ワケ
どこで勝負するかというと、狭いスペースであったり、局面の技術だと思っています。そのために、低学年のうちはドリブルやリフティングの練習ばかりしますし、パスを使わないで試合をすることもあります。
高学年になるとパスも使うようになり、相手がパスを警戒するとドリブルが活きてきます。まずはドリブルができないと、パスも活きてこないと思っているので、パスを活かすためにもドリブルは必要です。
――年代に応じて、すべきことを分けて指導しているわけですね。
上野はい。低学年と高学年では、少しずつサッカーが変わってきます。それは、年代に応じてやるべきことが違うからです。
低学年のときは足元の技術、ドリブルを中心に、試合の結果にはこだわらないスタンスで指導しています。
私はジュニアを11年見ていますが、1年生から6年生まで続けて指導して、その後1年生に戻るという形なんですね。なので、いまは2周り目です。それも踏まえて「この年代ではこうしていきます」という方針のもとでやっています。
■中学年代に繋げる上で、12歳時点で重要なこと
年代に応じてやるべきことが違うので、それぞれの年齢に合わせた指導を行っていると語ってくれた上野監督(C)新井賢一
――中学生年代につなげる上で、小学6年生の時点で重要なことはなんでしょうか?
上野ジュニアユースになっても、技術が必要なことに変わりはありません。中学年代を見ていると、ジュニア年代で技術をやっている子と、蹴るサッカーやフィジカルに頼ったプレーをしていた子では、差が出るように思います。
足元の技術があることで、狭いところでもプレーできますし、ジュニアユースで求められる、いろんなサッカーに対応できるのかなと思います。
■年代に応じた指導、低学年のうちはパスを使わない試合もする狙い
――OBとして、堂安律選手が有名ですね。
上野うちに来てくれる子たちは、足元の技術が上手くなりたい、ドリブルで抜けるようになりたいという子が多いです。うちでサッカーをするとは、そういうことなので、中学生になったときに伸びる選手が多いのかなと思います。
小学生年代でBチームだったとしても、中学、高校で活躍している選手もたくさんいます。長い目で見て指導していますし、Bチームの子にも「しっかりと伸びるサッカーを教えてます」と、自信を持っています。
――ジュニアユースからJクラブのアカデミーに進む選手も多いですが、どのようなところが評価されていると思いますか?
上野Jに行く子は武器があります。