2021年12月23日 13:00
「なぜ?」「本当?」「どうなる?」からはじまる算数・数学の自由研究 初等幾何学に関する研究作品を応募した中学校3年生が「MATHコン2021」日本数学検定協会賞を受賞
さんが受賞いたしました。齋藤さんは、中学校1年生のときに、自力で問題を解決できたときの爽快感とその美しさに魅了され、数学に強く興味をもちました。なかでも初等幾何学の研究にはもっとも力をいれているそうです。
今回の作品は、齋藤さんが昨年の同コンクールで特別賞を受賞した作品「Simsonの定理の拡張 ~4本のSimson線と大量の垂線が織りなす様々な性質~」と同様に、動的な数学ソフトウェア「GeoGebra(ジオジェブラ)」を用いて研究を進めました。
※シムソンの定理
三角形ABCと点Dがあり、Dから直線BC,CA,ABに下ろした垂線の足をそれぞれP,Q,Rとおく。A,B,C,Dが同一円周上にあるならばP,Q,Rは同一直線上にある。P,Q,Rを通る直線をDから三角形ABCに引いたシムソン線という。
「日本数学検定協会賞」受賞者の齋藤 輝さんの発表の様子
また、齋藤さんは今回の研究をとおして、以下のように研究に関するものの見方について大きな変化を感じたそうです。
(1)性質の発見がよりスムーズに行えるようになってきた。
(2)一般化や拡張などの考え方が身についてきた。
(3)数学の論文の書き方を習得した。
そのうえで、今回の研究成果を生かして、競技数学や現代数学など、その他の数学の学習にも力をいれていきたいと記し、今回の研究をしめくくっています。
算数・数学の実用的な技能を測る「数検」を実施している当協会は、動的な数学ソフトウェア「GeoGebra」を用いた現代ならではの研究スタイルで、3年間にわたって同じテーマの研究を継続している姿勢と、その作品の完成度を評価して、このたびの「日本数学検定協会賞」の受賞を決定しました。
なお、齋藤さんの受賞コメントと応募作品への審査委員の講評は以下のとおりです。
「日本数学検定協会賞」受賞者の齋藤 輝さん
<齋藤 輝(さいとう あきら)さんの受賞コメント>
僕の1年間以上にわたる研究成果について、こうした賞をいただくことができてたいへん光栄に思います。まずは、僕に研究の機会をくださった「MATHコン」の運営のみなさまや研究に助言をくださった方々に感謝申しあげます。
本研究は、大学受験等ではあまり重視されることのない初等幾何に関するものでしたが、僕は初等幾何特有の美しさに魅力を感じていて、まだまだ研究の余地はあると思っています。