くらし情報『桜が見える家隅々まで手をかけた大工の自邸』

桜が見える家隅々まで手をかけた大工の自邸

麻世佳さんは「開放的に吹き抜けをつくりたい」、将平さんは「こもり感が欲しい」と言っていて、希望が相反していたのだ。また、敷地面積的に、吹き抜けをつくると床面積が限られてしまうのも問題だった。「お2人の希望をなんとか叶える案はないものかと考え抜きました。そして最後の最後に閃いたのが、1階は天井を上げて開放的に、2階はその分天井高を抑えてこもり感を、というシンプルな解決法でした」(井上さん)。

桜が見える家隅々まで手をかけた大工の自邸

1階から階段を登った先が、踊り場のような書斎スペース。右上のグレーの部分は将平さんの趣味室で、リビングに向いた小窓がついている。床と階段側面の材はオーク。
桜が見える家隅々まで手をかけた大工の自邸

書斎スペースの先が将平さんの趣味室、右に上がった先が寝室。家全体に視線が抜けるのが心地よい。
桜が見える家隅々まで手をかけた大工の自邸

夫妻の書斎スペース。「とにかく使いやすいように、棚のサイズや高さにはかなりこだわりました」と麻世佳さん。

一生懸命になりすぎて

家を建て始めたのは昨年の夏。施工は将平さんがほぼ一人で行い、内装はご夫婦で協力して仕上げたという。しかしその作業には、夫婦喧嘩がつきものだった。
「うちの奥さんは凝り性で、デザイン性や暮らしやすさをとことん追求するんです。
でもその要求は、大工の僕からするとすごーく難しかったり、前例がなかったり……。

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