築90年葉山の日本家屋思い出が詰まった祖母の家をリノベして活かす
また、押入れだった場所に本棚やカウンターを造作し、読書などを楽しめるスペースに変更。座った時の目線の高さに新たな開口部をつくり、風通しや視線の抜けにも配慮した。
そうして出来上がったのは、家族が口を揃えて「暗くてジメジメした部屋だった」と話すかつての印象から一変した、明るく居心地のいい空間だ。また、印象が大きく変わったにもかかわらず、高橋さんが願った通り、手を入れていない部分と違和感なく調和していることも大きなポイントだろう。
「大工さんが作業を急いでくれて、おばあちゃんが亡くなる前に仕上がりを見てもらうことができたんです。おばあちゃんが『まさかこんなになるとは思わなかった』と喜んでくれたことが嬉しかったです」(高橋さん)。ご両親も空間の変わりように驚きつつ、とても喜んでくれたそうだ。
廊下側から事務所スペースを見る。
床の色も手を加えていない廊下と調和している。
事務所横のトイレもリノベーション。「行きつけの蕎麦屋さんのトイレを参考にしました」と高橋さん。手洗いカウンターは古材の一枚板。
廊下にある手洗い場は既存のまま。水栓金具や金属製の流し台がレトロな雰囲気。
庭に面した壁に不思議な扉が…?
扉の正体は、雨戸を出し入れしやすいように大工さんが造作した開口部。